監督賞は「グランメゾン東京」 吹き替えなしの料理シーン&最終回の涙の舞台裏も!【ドラマアカデミー賞】

2020/02/28 18:15 配信

ドラマ

監督賞は「グランメゾン東京」の塚原あゆ子氏、山室大輔氏、青山貴洋氏(写真は塚原氏、青山氏)撮影=星野耕作

料理は吹き替えなし 「レシピを見なくても、さっと一品作れてしまう」


――尾花役の木村拓哉さんが主演男優賞を獲得されました。現場で感じた木村さんの演技はどうでしたか?

塚原「木村さんは尾花の感情の流れだけでなく、作品全体のことも俯瞰で見えていらして、まさに一緒に作ってもらった感じです」

青山「すべてにおいて本気というか、料理も最初から最後まで全部、自分で作るので、すごいなぁと思いました」

塚原「レシピを見なくても、現場で料理監修の先生がアドバイスすれば、さっと一品作れてしまうから、びっくりしちゃうよね。手順を間違えない上、お肉の大きさなどアレンジとかもしちゃうんです。木村さんと先生でお店を開けるのでは?と思うぐらい。

ドライ(段取り確認)のときに普通に料理を作り始めるので、木村さんがすごいことをやっているのに、こちらの切り取りが甘かったり手元を差し替えた印象になっちゃったりで、残念!というときも…。とにかく、料理と木村さんの相性が抜群で、それがこのドラマがうまくいった大きな要因だと思います」

――木村さんの演技では、最終回、尾花がグランメゾン東京が三つ星を獲得した瞬間、廊下に座り込んで涙を流すシーンが印象的でした。

塚原「あの場面では木村さんが『(発表の瞬間は)廊下にいようかなぁ』とおっしゃったので、廊下にカメラを構えていたんですが、涙を流したときは私の想像を超えてくるものがありました。リアルにミシュランガイドの発表をしている会場で撮影させてもらったので、待ち時間も長かったんですが、さすがの集中力であの演技になり、カットの声をかけるのがつらいぐらいでした」

――助演男優賞を受賞した祥平役の玉森裕太さんはどうでしたか?

塚原「以前『リバース』(2017年TBS系)でもご一緒したんですが、そのときのキャストは同世代が多かったんですね。今回は、木村さん、鈴木さん、沢村さんと、まるで『アベンジャーズ』みたいな強者ぞろいで、玉森くんが入っていけるかな?という心配はあったんですが、じわ~っと入っていった感じでした」

青山「最初と最後では、表情もかなり違いましたよね。祥平は後半、丹後シェフ(尾上菊之助)のいる『gaku(がく)』に行って、その後、グランメゾンに来てと、大きな転機になるシーンが続いた。そこで、どんどん顔が変わっていきました。僕はスピンオフの『グラグラメゾン東京〜平古祥平の揺れる思い〜』(Paravi)も演出しましたが、こちらはコメディーなので、だいぶリラックスしている感じでしたね」