「セブンティーン」や「Ray」の専属モデルを経て、近年は女優としても頭角を現す岡崎。転機となった作品の一つ、ドラマ「パーフェクトワールド」(2019年、フジテレビ系)では、主人公・つぐみ(山本美月)の妹・しおりを演じ、お茶の間に愛される存在に。姉に長年思いを寄せる幼なじみ・洋貴(瀬戸康史)を密かに慕うしおりの切ない恋模様は、多くの視聴者の涙を誘った。全身から悲しみを立ちのぼらせるように涙を流したかと思えば、人懐こい笑顔で喜びを表現する。岡崎の演じるキャラクターは実に表情豊か。
その時々の思いを素直に浮かべるものだから、決定的なセリフがなくても悲しみや怒り、喜び、苦悩、切なさといった感情がダイレクトに伝わり、視聴者は彼女に共感せずにいられない。豊かな感情表現こそが、女優・岡崎紗絵の強みだ。
そんな演技者としての強みは、「アライブ―」でも存分に生かされている。
印象的だったのは第8話中盤、和樹に一度拒否され、それでも気持ちに寄り添いたい一心で「私でよければ話してもらえませんか?」と食い下がるシーン。2分強に及ぶ長回しの中で、使命感あふれる決意の表情から一転、拒絶されてどうしようもない喪失感に囚われるまでの心の変化を、表情でありありと表現してみせた。
終盤では、心を開き始めた和樹に心からの笑顔を向ける場面も。華やかで屈託のないその笑顔に視聴者は心底ホッとし、成長ぶりを目の当たりにする。岡崎の豊かな感情表現があるからこそ、視聴者は奈海の心の動きに共感するのだ。
小児科医志望で、ゲーム好きの一面も持つ奈海。子どもの患者に対する場面では、「このクエストはね、貫通モンスターで編成するといいよ」などとゲームの話題で心をほぐすことも。相手の懐にスッと入っていくような人懐こい笑顔がなんともチャーミングだ。
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