5冠「グランメゾン東京」続編は『なんとも言えない』も『いろんな可能性がある番組』【ドラマアカデミー賞】

2020/03/04 17:00 配信

ドラマ

5冠達成「グランメゾン東京」プロデューサーを直撃!(C)TBS

できたらいいと思っています。いろんな可能性がある番組だと思うので


――撮影中の苦労などありましたら教えてください。

やはり料理のシーンですかね。実は何度も撮り直しをしたりと苦労させられました。このドラマは“料理も主役”というコンセプトのもと作られました。そのため、ライティングなど料理をどう美味しく見せるかはすごく研究しました。フレンチって視聴者の方にとってなじみ深いものではないため、味が想像しづらいんですよ。それを見た目とセリフ、所作で美味しそうに伝えることを心掛けました。やはり人間ドラマでありつつも、料理に本気で取り組んでいる姿やそこでできた料理にリアリティがなければ感情移入しにくいもの。ミシュランの三つ星を獲るというストーリーにリアリティを持たせたのは料理の存在も大きいと思います。

あとフレンチって基本常温で、湯気が出ないんですよ。湯気ってやはり美味しそうと思わす手法のひとつでもあるのですが、それがないことがかなりハードルが高かったです。そして料理は撮影ができるタイミングは一瞬。完成からどんどん味が落ちてしまうので…。なので完璧なセッティングをして料理を待つ、ということが多々ありました。そのためにキャストの方にも待っていただいたり…。それを快く了承していただけたのはありがたかったです。

――山下達郎さんの主題歌も物語を盛り上げましたね。

あそこまでドラマのテイストにバチっと合わせて作っていただけたのは本当にうれしかったです。食べる、作るということに対し、前向きにいろいろ発想していただけてありがたかった。あと山下さんは僕たちにとってアニキみたいな存在で(笑)。すごく頼もしく、一緒にモノを作れて楽しかったです。

――キャストのチームワークと演技力、それと本物の料理が見事に融合したドラマでしたが、続きを期待してもいいですか?

こればっかりは何とも言えないですね(笑)。みなさんお忙しい方ばかりなので…。ただできたらいいと思っています。いろんな可能性がある番組だと思うので。

――最後に、本作がここまで多くの方に支持された理由は何だと思いますか?

木村さんが作った料理を僕自身も食べたいと思いました。本当に素晴らしいドラマに出会えてよかったと思います。みなさんから、見ていて「グランメゾン東京」に行ってみたいと思ったと聞いた時は、本当に嬉しく思いました。そんな風に思っていただける空間を作れたことがこの作品の魅力かもしれません。

また、おじさん、おばさんが頑張って本気で仕事に取り組んでいく姿を真正面からとらえていただけたのもこのドラマのもう一つの魅力だったのかもと思います。働く私たちもすごく刺激を受けました。

取材・文=玉置晴子