窪田正孝、朝ドラは「“プレッシャー”と“ワクワク”でいっぱい」<「エール」インタビュー>

2020/03/25 08:00 配信

ドラマ

「エール」古山裕一役の窪田正孝撮影=諸井純二


3月30日(月)スタートの連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)で主演を務める窪田正孝にインタビュー。2019年9月より撮影に臨んでいる窪田が、舞台裏や作品に込める思いなどを語った。

本作は“朝ドラ”としては約6年ぶりに男性が主人公の作品で、独学で音楽の才能を開花させていく作曲家・古山裕一(窪田)と、妻で声楽家の音(二階堂ふみ)の人生を描くストーリーだ。

全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」や「阪神タイガースの歌」通称“六甲おろし”などを手掛けた、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而氏と、妻で歌手の金子(きんこ)氏がモデルになっている。

プレッシャーとワクワクする心でいっぱいでした


「エール」先行カット (C)NHK


――主演に決まったときのお気持ちを教えてください。

僕の家族や親戚は朝ドラと大河ドラマを欠かさず見ているので、この作品が決まったときにすごく喜んでくれまして、プレッシャーとワクワクする心でいっぱいでした。

だから、自分の家族や親戚を喜ばせたいという気持ちになりましたし、それができなければたくさんの視聴者の方を喜ばせることもできないだろうなとも思いました。

――2014年放送の「マッサン」以来、6作ぶりに男性が主人公の作品です。

主役だからどうこうという考え方は、正直あまりないですね。

僕の中で、今回の“朝ドラの顔”はふみちゃんだと思っているので、彼女が一番輝ける瞬間というものを、スタッフさんと一緒にたくさん作っていけたらいいなと思って撮影に臨んでいます。

――役作りで気を付けたことは?

お話を聞くと、古関さんの周りには敵が誰もいないんですよ。誰一人、古関さんの悪口を言わない。

それは媚び(こび)を売っているわけではないし、空気を読んで誰かに好かれるために自分に嘘をついたりするとかでもなく、古関さん自身が本当に誰かを憎んだり、怒ったりしないということなんです。

たとえそういう瞬間があったとしても、必ずその後に愛情に変わっている気がして。

それに、毛嫌いする人がいたとしても、古関さんの音楽の才能や人格が最終的に相手を認めさせてしまうんです。それが本当に全てかなと思って、役作りの肝にしています。

――古関裕而さんという実在の方がモデルになっている役を演じることについては、どう思っていますか?

古関さんの記念館に行かせてもらっていろいろお話を聞いていく中で、音楽が好きだったり多趣味だったりするところは映像に反映しているんですけど、大事にしなければいけないのはお人柄、性格の部分だと思っています。

ただし、あまり古関さんについて勉強し過ぎて台本より先に行きたくない気持ちもあるので、入れる情報などは分別してやっています。

――事前に古関さんについて学ばれたと思いますが、実際に撮影に入り、裕一を演じてみてあらためて気付いたことはありますか?

古関さん自身は本当に憎まれない方だとお話ししましたが、やっぱりそれだけでは台本が成立しないので、いろんな喜怒哀楽というものがあるんですね。

その中で、僕は裕一のずるさというか、「かわいがられ方を知ってるな」というものをちょっと感じる瞬間というのはあったりしました。

あと、音楽に関しては後に天才になっていくんですけど、結構不器用なところもあります。

ツボに入ったらものすごく強いのに、我の強さでなかなかそこに到達できない。自分の世界に入ると、本当に周りが見えなくなってしまうんです。だから、3歩進んで5歩ぐらい下がっている感じもします。

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