――“Fukushima 50”の皆さんの勇気と決断、そして仲間への思い。さらには彼らの帰りを待つ家族の姿も胸を打たれました。
佐藤「娘の結婚に反対する伊崎のように、誰かに憎々しい発言をしてしまったとします。それが有事のときに『なんであんなことを言ってしまったんだろう』と後悔する。そう思える存在がいるのは幸せなことだと思いますし、それこそが自分が大切にしたい何かなんだと思います」
吉岡「家族パートは本当に普遍的なシーンだと思います。こんな大変なときでさえも子どものことを考え、大切な人を信じて待つんだという、きっと誰もがどこかで感じるような瞬間が描かれています。生きていると、つい独りよがりになってしまうこともあると思いますが、人は一人では生きていけないし、大切な人や守りたいものがあると強くなれるし、それはとても大事なことだとあらためて感じました」
2011年3月11日、東日本大震災によって福島第一原発で事故が発生。日本観測史上最大の地震と津波により、福島第一原発発電所は停止。全電源を喪失し、このままでは溶けた燃料が格納容器を突き破り、放射性物質にさらされるメルトダウンに陥る危機が。現場を率いる当直長の伊崎(佐藤)と、指揮官である所長の吉田(渡辺謙)は最悪の事態を避けるための対処に挑み、伊崎の娘・遥(吉岡)をはじめ避難所に集まった人々は不安を抱えながら無事を祈っていた。
取材・文=馬場英美
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