東野幸治の“芸人イジり”本「この素晴らしき世界」にダウンタウンが登場しないその訳は?<インタビュー前編>

2020/03/26 06:00 配信

芸能一般 インタビュー

2020年2月に上梓した“芸人イジり”のエッセイ集「この素晴らしき世界」が好評を博している東野幸治

「苦情を言うてくる人はまだいないですけど、怒ってる人はいると思います(笑)」


――東野さんは、こうした芸人評は、もう書かれないんですか?

東野幸治:ええ、僕はもう、やりきりました。だから実は僕、この本、読み直してもいないんですよ。よく「改めて読み直してみて、どうですか?」って聞かれるんで、困ってるんですけども(笑)。

――ということは、書籍化の際、加筆や訂正もされていないわけですね。

東野:はい。僕としては、あの(連載)当時に思ったことを書き殴ってるだけなんで、後から筆を加えると、別のものになってしまうかなと思って。ただその代わり、本にするにあたって、新しく極楽(とんぼ)の加藤(浩次)のことを書いたり、キングコングの西野(亮廣)くんに僕のことを書いてもらったり。あと、紹介した芸人さんに関しては、ご本人に自分の近況を書いていただいて。

――各章の最後に掲載されている「最近こんなことしてます。」という付録コラムですね。芸人さんによって文章の長さも熱量もさまざまで、面白かったです。

東野:あれは、送られてきた文章をそのまんま載せてくれって、僕がお願いしたんですよ。面白いですよね、自分の今の活動のことを熱く書く人もおれば、ガンバレルーヤのよしこみたいに、これをチャンスにコラム連載の仕事が欲しいんじゃないかっていうくらいの長文を書いてくる人もいて(笑)。逆に、この本にまったく興味ないんやろなっていう文章もありますけど、それはそれで面白いと思うし。結果的に、文章のアマチュア軍団が書いたみたいな、まとまってない感じがいいなと思ってるんですけどね。

――いち読者としては、このコラムがあることで、安心して読むことができました。みなさん、東野さんに対して怒っていないんだなと(笑)。

東野:いや、中には怒ってる人もいてると思いますよ(笑)。今回、文章は全部本人に確認してもらってるんですけど、「あそこのくだり、書かないでもらっていいですか」っていうのは正直ありましたし。そういえば、陣内(智則)くんからもクレームが来ましたね、「僕の見え方、悪くないですか」と。一応、直してあげましたけど(笑)。

まぁ幸い、僕に面と向かって苦情を言うてくる人はまだいないですね。ただ、今回マネージャー経由でみなさんにこの本を送ったんですが、お礼を言うてきてくれたのは1人だけでした(笑)。

――ちなみに、どなたですか?

東野:みなさん察しがつくと思うんですけど、藤井隆くんです。ていねいなお礼のメールを送ってきてくれて。納得でしょ?(笑) でも、あとはまったく反応なしですから。だから、僕の本にムカついてるのか、それとも興味がないのか…それか、吉本興業のいつものルーズさで、そもそもその人に本が届いていないのか(笑)。