――役柄に共感したところや演じる上で気を付けたことはありますか?
私が演じた柴田は、まさしく老人である私であり、老人であるたくさんの人たちの姿なのです。老いを憎まず、老いを恐れず、時には老いに泣くこともあるでしょうが、いただいた命を釈然として燃やし続ける、そんな人を演じてみようと思いました。
――坂東さんとのお芝居が多かったかと思いますが、印象や共演してみていかがでしたか?
坂東さんとのやり取りは楽しかったですね。うまくかみ合ったのではないかと思います。撮影の合間のおしゃべりも楽しかったですよ。人柄も演技も柔軟で、率直な感じがしました。今回とは全く違うキャラクターを演じる坂東さんも見てみたいですね。
――吉行さんとの夫婦愛が印象的でしたが、演じられてみていかがでしたか?
吉行さんとは20代のころから、映画やテレビで仕事をご一緒してきました。夫婦役も4本の作品で演じていまして、私が尊敬し、信頼している先輩です。でも、プロポーズのシーンを演じるのは初めてでしてね。おまけに老いた夫婦が半世紀前の求愛のシーンを再現するのですからどうなるのかなと思いました。
このシーンは「ゴールド!」のハイライトシーンになると思いますので、残念ながら詳細は見てのお楽しみとさせてください。
――作品をご覧になっていかがでしたか?
「ゴールド!」というタイトルが素晴らしいと思いました。一人一人に大切なゴールドがある、守りたいものは何か、というのが心に響きました。
――見どころはどこですか?
問題になっている高齢者の運転、家族の認知症が大きなテーマです。それに対してどうしたらよいか、一人一人が考えなくてはなりません。救いは、そこに愛はあるかだと思いました。
――印象に残っているシーンはありますか?
やはり、私としてはラストで通い合う夫婦の愛です。認知症の方でも「自分に対して優しく接してくれる人かどうかは良くわかる」と聞きました。
――吉行さんとの夫婦愛が印象的でしたが、演じられてみていかがでしたか?
今は忘れていても、かつて幸せだった日々はよみがえってくる、という人間の不思議さを感じ、幸せな気持ちで演じました。私にとってこのドラマは、“愛妻物語”だと思います。藤竜也さんとの夫婦役は何度かやりましたが今回は、最も幸せな気持ちで過ごしました。
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