――“朝ドラ”の空気感や、テレビドラマの撮影現場の雰囲気などはどのように感じられていますか?
僕のNHKさんのイメージが、すごく真面目で、すごく細かく、統制のとれた現場というイメージがあったので、撮影に入る前日の夜は、寝て起きては台本を見て、というのを繰り返していました。一字一句、間違えちゃいけないと思って。見かけによらず、結構緊張してしまうタイプなので、現場でも緊張しながら過ごしていました。
――実際に現場に入られて印象に残っていることはありますか?
最初の撮影は緊張していて、ほとんど覚えていないんです。僕が普段テレビで見るような方々がいらっしゃって。皆さん温かく迎えてくださいました。
撮影自体は、僕がイメージで思っていたよりも、監督が出演者側に預けてくださる現場で、「吉原さん、どう思います?」「ここはどうします?」と投げ掛けてくださるので、舞台と同様、いろいろとトライさせてもらえました。やりにくさは全くなかったですね。逆に新鮮でした。
――岩城を演じる際に、役作りで何かされたことはありますか?
馬具職人頭という役なので、事前に直接この目で見ておきたいなと思い、北海道にある馬具工房に勉強で伺いました。今の工房のベースとなる旧工房も見させていただいたりして。
革に穴を開けていく作業、革に糸を通していく作業というのはずっと練習してきましたが、職人さんと息を合わせて作業もさせていただいたことで、実際に演技をする上ですごく助けになりましたし、役に立ちましたね。
他の仕事の稽古があって、久しぶりに「エール」の現場に入っても、着替えたとたんに、革に触って穴を開けたりするぐらい役になじんでいます。
NHKさんのリアルなセットは、本物の馬具工房のにおいや場の雰囲気と似ているので、すぐに自分が岩城へ戻ってくるのが感じられます。忠実に再現されているセットにいつも助けられています。
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