――今作から、江崎プリン、スタンダードという二人の個性的な新キャラクターが登場します。彼らの存在は、公安9課にどのような影響を与えているのでしょうか?
田中敦子:清涼剤。二人なので二服でしょうか。
大塚明夫:刺激でしょうか。
山寺宏一:シリアスなシーンが多いこの作品。これまで笑わせてくれたり、ホッとさせてくれたのはタチコマだけでした。緊張を緩和してくれる貴重な存在だと思います。プリンはかわいい上に能力も高く、捜査にかなり貢献してますが、スタンは…いや、憎めない良いキャラです!(笑)
――「攻殻機動隊」は、近未来を描くSFでありながら、現代にも起こりうる問題をテーマにしているところも大きな魅力だと思います。今回の「攻殻機動隊 SAC_2045」を通じて、改めて考えさせられたことはありますか?
田中:問題提起は監督に、そしてそれをどう捉えるかは視聴者お一人お一人の感性に委ねたいと思います。
大塚:いろいろな正義の中で何を選択し行動するか、よくよく考えなければなと…。
山寺:第1話の冒頭から「サスティナブル・ウォー(持続可能戦争)」というワードが! 最近われわれが目にする「サスティナブル」は環境や平和のために使われているのに、この作品では真逆です。
しかも「自国の利だけを最優先した結果、世界は最悪の事態に」と続きます。まさに現代が抱える大きな問題ですよね。
新型コロナウイルスという人類の敵を倒すためにも「世界が力を合わせなければならない」と言われてはいますが、なかなか難しいという現実があるわけで…。
――今作の舞台は2045年。シリーズ前作の「攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY」から約10年後となりますが、かなり世界が変わっていたように思えます。ご自身のプライベートで「10年前から変わったな」と思うことがあれば、お教えください。
山寺:トグサと一緒で離婚しました。と言わせたいのか!(苦笑)
――もし「攻殻機動隊」の世界が現実にあったとして、「電脳化」や「義体化」など、やってみたいことはありますか?
田中:見た目を変えずに義体化します。昔から、脳殻と生身の肉体とのギャップに苦しんでまいりましたので…。
大塚:電脳化したらコンピュータに強くなれるでしょうか…。
――ご自身が、声優として最も大事にされていることを教えてください。
田中:インスピレーションに導かれるまま、それを信じて演じること。
山寺:俺は別にギャラが欲しかったわけじゃない。だけど、自分が信じる「プロとしてベストを尽くす」という当たり前すぎる心構えには一点の曇りもなく演じてきたつもりだ。
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