2020年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。古山裕一(窪田正孝)と関内音(二階堂ふみ)の恋が一気に進展した第5週、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が注目したのは、二階堂ふみの“女優力”だ。(以下、第5週までのネタバレが含まれます)
朝ドラ「エール」、5週めにしてついに裕一と音が対面した。
一気に恋が燃え上がり、浴衣で祭りデート、プロポーズ、接吻まで進んでしまう展開は、それはもう気持ち良いほどの高速。
最初は反対だった光子(薬師丸ひろ子)も、三郎(唐沢寿明)もあっという間にふたりの味方に。
それだけ裕一も音も純粋にお互いのことを必要としていることが、ひしひしと伝わってきて悪い印象はない。
むしろ、何かとおどおどしていた裕一が音の前では極めて紳士的で頼りがいのある人物と化し、人は出会った人によってこんなにも変わることができるのだという感動のほうが大きかった。
突然、天才作曲家然となる、窪田正孝の変身っぷりもすばらしいが、それを支える二階堂ふみが第5週では大健闘。コミカルな演技には目を見張った。
裕一と初対面のとき、お魚くわえたどら猫ならぬ、アジフライを箸でつまんで外に飛び出して空高く掲げるアクション。
裕一に手紙の返事を書いたのは音さんだけと言われて「キャー」と声に出して舞い上がる表情、お化け屋敷でこわがる仕草、三郎に「一見かわいいがすぐに慣れる顔」と言われ「人を美醜で判断するな」と立ち上がって力説する仕草、演奏会当日、出なくなった声に効くからと生の長ネギをもらい「生はきつい」とボソリと言う口調や表情。
すべてが小気味良い。絶妙な間のとり方でおもしろアクションを次々こなす。
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