<エール>裕一の“里帰り”週に感動の声あふれる!朝ドラにおける“故郷”の役割とは?

2020/06/13 08:00 配信

ドラマ

「エール」第52回場面写真 (C)NHK


これまで日本各都道府県、すべて網羅していて、「エール」は裕一の故郷・福島と音の故郷・愛知県の豊橋。

「スカーレット」(2019年度後期)は滋賀県信楽市、「なつぞら」(2019年度前期)は北海道十勝地方、「まんぷく」(2018年度後期)は大阪、「半分、青い。」(2018年度前期)は岐阜、「わろてんか」(2017年度後期)は大阪、「ひよっこ」(2017年度前期)は茨城。BSで再放送中の「はね駒」(1986年度前期)は「エール」と同じく福島。ドラマの盛り上がりと共に、ご当地は観光客でにぎわう。

以前、大河ドラマのプロデューサーにインタビューして、「大河ドラマにしても朝ドラにしても、例年、舞台になる地域には、史跡を訪ねたり、イベントが行なわれて、凄まじい数の人が来るんです」「地域活性化に貢献するためにも、その地域に(番組が終了しても)長いこと人が訪れるような種を、毎年の大河や朝ドラが蒔いていけたらと思います」と聞いたことがある(※ヤフーニュース個人「ダメ田十勇士、佐久間象山……最終回も遊び心の連続だった『真田丸』を経て、大河ドラマの今後の課題」より)。

日本の様々な地域に興味をもってもらうことも朝ドラの役割なのである。

場所や食べ物がドラマで魅力的に描かれると視聴者はたちまち反応する。「あまちゃん」(2013年度前期)はロケ地となった久慈市を訪れる人が放送中も多く、いまだに人気。「半分、青い。」では五平餅が売れた。

私は「あまちゃん」の久慈、「半分、青い。」の岐阜、「なつぞら」の十勝に行き、マニアックな部分では「わろてんか」のヒロインの生まれた京都の薬神社とはどういう場所か見に行ったり(ドラマと全然規模が違って驚いた)、「あさが来た」(2015年度後期)のヒロインのモデルの生家のあった場所(いまはホテルになっている)を見に行ったりしている。知人には「ちゅらさん」(2001年度前期)が好きで沖縄に行ったという人もいる。

エール」は福島に、裕一のモデルである古関裕而の資料が展示された記念館があり、裕一の叔父・茂兵衛(風間杜夫)が暮らす川俣はどんなところかも気になっていたが、あいにく新型コロナウイルス感染予防のため都道府県をまたいでの移動の自粛を余儀なくされ、ちょうど福島編が描かれている間、福島や川俣を訪問する機会がなかった。

だが、「エール」主題歌であるGReeeeNの「星影のエール」でつなぐ福島県59市町村PVが5月11日から配信され、そこに映る自然の風景やそこに生活する人たちのいい表情がすてきで、また自由に旅ができるようになったら福島に行きたいと思うものになっている。

6月29日からは、コロナウイルス感染予防で撮影が中断し放送ストックが尽きたため「エール」の1話から再放送されることになっている。もう一度福島、そして音の故郷・豊橋に目を向ける機会である。

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