2020年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。6月15日~放送の第13週「スター発掘オーディション!」では、久志(山崎育三郎)と御手洗(古川雄大)が新人歌手オーディションを受ける様子が描かれた。この週のみならず、作曲家・古関裕而を主人公のモデルとした「エール」は、音楽を中心とした物語。そこで、これまでの“朝ドラ”と音楽の深い関係を、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
朝ドラ「エール」第13週は、裕一(窪田正孝)の親友・プリンス久志(山崎育三郎)と、音(二階堂ふみ)の豊橋の恩師・スター御手洗(古川雄大)の歌バトル。コロンブスレコードが行った新人歌手募集のオーディションに挑むふたりを裕一と音たちが応援する。
最終審査(64回)では、帝都ラジオ会長の息子・寅田熊次郎(坪根悠仁)が「東京ラプソディ」、岡島敦(徳永ゆうき)が「鉄道唱歌」、林喜一(殿さまキングスの宮路オサム)が「東京行進曲」、水川ながし(彩青)が三味線弾き語りで「ソーラン節」、久志が「丘を越えて」、御手洗が「船頭可愛や」を審査員の前で歌った。
坪根以外は歌のプロばかりで、歌う楽曲は実際に昭和から人々に愛された歌。知っている人は問答無用に楽しめ、知らなくてもヒット曲の強烈な求心力に心踊ったことであろう。
「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉どおり歌の力は大きい。聞くとその歌が流行った頃の思い出が鮮やかに蘇る。また、歌によって喜びや哀しみ、たくさんの感情が増幅される。そんな歌の効能を活かそうとしてか、朝ドラには音楽がドラマに密接に関わってくる作品が多く存在する。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)