「エール」コロナ禍で再放送も“生きた副音声”で視聴者がっちり ドラマの新たな可能性示す

2020/09/01 11:08 配信

ドラマ

「エール」第51回場面写真 (C)NHK


9月14日(月)からの新エピソード放送再開が決まった連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。現在は再放送中だが“登場人物による週替わり副音声解説”が話題で、Twitterのトレンド入りを果たすなど反響も上々だ。連続テレビ小説ならではの事情を生かしたアイデアで、本編再開までの視聴習慣維持に貢献するだけでなく、ドラマの新たな可能性も生み出している。

収録ストップで工夫を凝らすドラマ業界


作曲家・古関裕而氏とその妻で歌手の金子(きんこ)氏をモデルに、音楽と共に生きた夫婦の姿を描く「エール」。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため収録を一時中断した影響で、6月29日からは本放送を一時休止し、初回から再放送を行っている。

「エール」第51回場面写真 (C)NHK


今年4月から5月にかけては、NHKだけでなく民放各局でも多くのドラマの制作スケジュールに変更が生じ、放送休止などの措置がとられた。そのため各局とも、新撮エピソードに代わるコンテンツ作りに知恵を絞った。

「ギルティ」(日本テレビ系)は主要キャスト陣によるオーディオコメンタリーつきで本編を再放送。不倫やきわどいラブシーンなど過激な描写が多い同作を俳優陣の裏話付きでもう一度見られるとあって話題を呼んだ。また、「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)は“リミックスバージョン”を新たに制作し、芸能界きっての番組フリーク・伊集院光らによるオーディオコメンタリー付きで放送した。

TBS火曜夜10時枠では、2017年に放送され大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)を再放送したが、同ドラマの制作陣は今回の再放送のために未公開カット入り再編集版を制作。エンディングの「恋ダンス」にキャスト陣がリモートで参加したことも、注目を集めた。

「警視庁・捜査一課長」や「家政夫のミタゾノ」(共にテレビ朝日)では、リモートで撮影された新撮映像を放送。中でも「―ミタゾノ」は出演者同士が顔を合わせることなくリモート映像のみで60分の完全新作を作り上げ、放送。視聴者からも「リモートであのクオリティはさすが」「めちゃくちゃ面白かった!」といった歓迎の声が上がった。

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