三谷幸喜、香取慎吾の魅力を「喜劇俳優として僕は全幅の信頼をおいている」<誰かが、見ている>

2020/09/18 07:00 配信

ドラマ インタビュー

【写真を見る】主人公・舎人真一というキャラクターについて語る香取慎吾(C)2020 Amazon Content Services LLC


香取慎吾「舎人を演じていることが好きです」


――香取さん自身、今回の作品を通して発見したことはありましたか?

香取:発見ですか? う~ん、完成したものを見て、こいつ面白いなって思いました(笑)。自分で面白いと思えることって大事だなと。やっぱり、いろいろ好きなところがあるし、こうやって改めて話をしていると、あのシーンを見てほしいという思いがどんどん出てくる。こういうことを言うのは恥ずかしいですけど、舎人を演じていることが好きですと素直に言えます。

――セットで工夫した点は?

三谷:シットコムというのはワンシチュエーションですから部屋が大切というか主役の一つだと思っています。そういう意味では普段のドラマよりインテリアを含めてどんな部屋にするのかスタッフと綿密に打ち合わせをしました。

シットコムの場合はカメラが部屋の中に入っていかないので一方向からしか撮れないんです。ドラマだとセットを全部作っちゃうんですけどシットコムは片方の壁がない演劇的空間なので、奥行きをはじめ見せ方をいろいろ工夫しました。

――ちなみに、お二人が好きなシットコムは?

三谷:僕は「奥さまは魔女」「アイ・ラブ・ルーシー」「じゃじゃ馬億万長者」といったシットコムで育った世代。「フルハウス」「となりのサインフェルド」も面白いですよね。香取さんは世代的に「フルハウス」ですか?

香取:僕はほとんど見ていないんです(笑)。うっすら知っているから何回かは見ているんでしょうけど、全話通してとかあれが好きなんですというのはないですね。あるとしたら以前三谷さんとやらせていただいたドラマ「HR」(2002-2003年、フジテレビ系)。18年も前の作品らしいんですけど、その時にシットコムという形を知った感じです。

三谷:アメリカの作品も好きだけど、イギリスの「フォルティ・タワーズ」や「ジ・オフィス」というちょっと新しい形のシットコムも好きですね。

――新型コロナの影響でステイホーム期間が長く続き、エンタメ業界も大きな影響を受けましたが。この数カ月間はどんなことを考えていましたか?

三谷:新しいものに対して拒否反応というわけではないんですけど、億劫になっている部分がありました。ただ、リモートドラマであるとか、僕の作品も見ていただいているZoom演劇とか、ジャンルが増えていくのはいいことだと思いますし、それぞれ魅力的で面白いなと。その中で、最終的に何が一番大事なのかといったら、結局は物語の面白さに尽きるんじゃないかということに立ち戻ったんですね。どんなに新しい受け皿ができたとしても話が面白くなかったらどうにもならない。そういう当たり前のことに改めて気付きました。その思いは今回の作品にも反映されているような気がします。どういう形で皆さんの目に留まるかは置いといて、これから僕らがやらないといけないのは魅力的な物語を作ること。そこに行き着きました。

――そういう意味では香取さんとのタッグは心強い?

三谷:そうですね。やっぱり、今回ご一緒して分かったのは、僕がこんな風になるといいなと思って作ったものを思い通りに、もしくはそれ以上にやってくれる俳優さんという意味で香取さんは得難い人。今回は舎人の一人芝居の部分が結構あるので、台本で書ききれないものをリハーサルや収録をしながらその場で作った部分も多かったんです。その僕の思いを瞬間的に理解して表現できる。そのどちらもパーフェクトな俳優さんは香取さんしか知りません。