「ルパンの娘」“炎上系”大泥棒が再び!!  円城寺輝役の大貫勇輔「新しいものを存分にお見せしたい」

2020/09/25 19:00 配信

ドラマ

大貫勇輔撮影=玉井美世子


ーーキャリアの始まりはダンサーでしたが、近年は俳優のお仕事が定期的に続いています。ダンサーと俳優の仕事は大貫さんの中でどのように共存していますか?

5年前にストレートプレイが2本続いたときに、「お芝居にどっぷり浸かってみよう」と思い、8カ月間ダンスを完全に止めてみたんです。その後、ダンス公演のために、ダンサーの体に戻すのに3カ月かかってしまった。そのときに、やっぱりダンスは手放しちゃいけないし、自分の強みはダンサーであることだと気づいて、ダンスとお芝居の両立を考えるようになりました。そこから「大貫勇輔ならではの芝居とはなんだろう?」と考えながらお芝居をしています。ドラマの現場はモニターでチェックができるので、自分がイメージしたお芝居になっているのかを客観的に見るようにしています。自分で「できた!」と思ったときにイメージ通りなのか、違う映り方になっているのか、確認する作業がすごく面白いです。

ーーダンスを休んで良かったと思いますか?

そう思います。僕は身体で物事を考えるタイプなので、台詞を言うときにいろんな体勢で言ってみるんですね。そうすると、しっくりくる身体のポジションというのが見つかるんです。7年前に初めて映像のお芝居をさせていただいたときに、「声をもうちょっと小さく」「姿勢をもうちょっと悪く」と言われたんですよ。「ナチュラルな芝居」を求められて、舞台と映像では肉体のあり方みたいなものが違うことに初めて気づいて、人間の生理的な運動を自分の中に落とし込んでいきながら、役の身体のポジションを見つけるようになりました。「グランメゾン東京」の柿谷であれば、何か考えているものがありながら嘘をついている感じの身体のポジションを見つけてみたり、円城寺だったら日常的ではない動きをしてみたり。

ーー円城寺の正解にたどり着くまでには試行錯誤がありましたか?

7年前のダメ出しとは逆に、「ナチュラルな芝居をしないでくれ」「ミュージカルっぽくしてくれ」と言われましたが、舞台ではなく映像なので、ナチュラルとミュージカルの間を探りました。「イスタンブールから舞い戻ってきた円城寺輝です」という台詞を言うキャラクターに、「いるかもなぁ」という説得力を持たせる作業には時間がかかりましたが、及川光博さんや宮尾俊太郎さんのような貴公子感や王子感の佇まいがある方のテンションや声のトーン、表情をイメージして、いろんな方法を試しながら台本を読んでいきました。