「危険なビーナス」妻夫木聡の極上の“困惑顔”が堪能できるラブサスペンスが始動<試写室>

2020/10/10 09:28 配信

ドラマ

第1話レビュー


伯朗(妻夫木)について、“正義感が強くうそのつけない独身獣医”“困っている女性を放っておけない性格”という情報だけを頭に入れ、第1話を視聴。

「うそがつけない人なんているのか…?さぞかし、下心や邪念がなく、こちらが下ネタを言おうものなら顔を真っ赤にして怒ってしまうような、キュルっとしたピュアボーイでしょう」と思っていましたが、冒頭の伯朗によるナレーションで、その予想は覆されました。

「下心あるし人並みの煩悩もある…!人間味を感じる」そう思うと、一気に伯朗という人物に興味と親近感が湧きました。

モコモコの猫を抱きかかえる中村アン(中央)(C)TBS


また、伯朗の勤務先が動物病院なので、かわいい動物たちもたくさん出演します。さまざまな動物たちのカットに癒やされますが、患者である猫ちゃんに「大丈夫だよー」と言いながら慣れた手つきで診察をする妻夫木さんにも「キュン!」と癒やされます。

吉高由里子の表情とシフォンケーキの余韻


そんな伯朗の前に、吉高さん演じる謎の美女・矢神楓が現れます。ドラマを視聴する前は、楓について「“危険なビーナス”という題名だから、素性が見えないクールな女性だろう」と想像していましたが、同作の中での楓は意外にも喜怒哀楽の表情が豊か。さらに、あえて演技じみたようなオーバーな話し方をする場面も。コロコロと変わる吉高の表情や声色に引き込まれました。

「危険なビーナス」第1話より(C)TBS


特に筆者がグッときた吉高さんの表情は、伯朗が楓お手製のシフォンケーキを食べるシーン。伯朗にケーキのおかわりを求められた後の楓の表情を見た後は、次のシーンに切り替わっても「ああ、さっきの表情の変わり方好きだな…」「あとシフォンケーキが食べたい…」という余韻がありました。

よく笑い、意思表示もする。そんな楓を見ていると、「危険な」部分はないのではと思います。ですが、何か引っ掛かるものが最後までうっすらとあるのです(考え過ぎかもしれませんが)。

何度も「思い過ごしかな…」と思うのですが、「でもやっぱり引っ掛かる!」というのが何回かあり、気付くと気持ちは完全に伯朗状態。楓の表情や行動のどこかに伏線が張られているような気がしてやまないので、今後も細部に目を凝らして鑑賞しようと思います。