――裕一と久志は鉄男にとってどういう存在でしょうか?
憧れの存在で、鉄男を引っ張ってくれていると思います。鉄男の作詞の才能は素晴らしいと思いますが、なかなか不器用で、書けないものは書けないし、仕事として割り切ることができない人間です。裕一と久志に比べて、花開くのが遅かったので、二人の才能に憧れ、でも嫉妬もあって。二人がいたから必死に走り続けられたのだと思います。
――戦時中も描かれましたが、その時代を鉄男はどう生きたと思いますか?
世の中の空気に合わせることができず、創作から離れたと言う鉄男は、新聞記者に戻ります。世界の情勢も耳に入ってくるので、裕一が戦地へ慰問に行くことの危険さも分かります。裕一も正義感があるから鉄男がとめればとめるほど火がついてしまいましたが、友達として裕一を引き留めようと必死でした。
――今後の鉄男の見どころや、作品で注目してほしいところはどこですか?
戦争も終わり、平和になって、また作詞に打ちこむことができるようになります。鉄男の家族が今どうなっているのかも描かれるので注目してほしいです。
――読者の方へのメッセージをお願いします。
終戦後、混沌とした時代が続きますが、そんな時代に生まれた名曲もあるし、それを経て平和になった時、あれだけ苦しんだ裕一が平和を歌う曲を作ることができるようになったことに、グッとくると思います。
戦意高揚の歌を作っていた裕一が、オリンピックの入場行進曲を作ることができるようになるのは、一番近くから見ていた鉄男からするとこんなにうれしいことはないです。だから(1話冒頭の)藤堂先生(森山直太朗)のお墓参りのシーンは、藤堂先生に対してそういう報告もあったのではないかなと今となっては思います。
暗い時代あるからこそ、戦後の物語はより幸せな気持ちになれると思います。皆さんにもそれを感じてほしいです。
藤丸(井上希美)に連れられて訪れた闇市近くの家で、裕一(窪田)と鉄男(中村)は久しぶりに久志(山崎)と再会するが、その変貌ぶりに絶句する。藤丸からこれまでの経緯を聞いた裕一たちは、話をしようと久志のもとを何度も訪れる。
一方、戦争中ビルマの慰問活動で一緒だった記者の大倉(片桐仁)から依頼された全国高等学校野球選手権大会の曲づくりのために、裕一は大阪に向かう。
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