毎週金曜に放送中の生田斗真主演ドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」(TBS系)に、小栗旬演じる段野竜哉の舎弟・深町武役で出演しているムロツヨシにインタビューを敢行。クールな役どころ、共演する小栗の印象や現場の裏話、大好評を集めた副音声の裏話、終盤の見どころまで余すところなく語ってもらった。
――これから「ウロボロス」を初めて見る、という人のためにムロさんが演じられる深町の役どころを教えてください。
僕が演じる深町武は、小栗くん演じるヤクザ・段野竜哉の右腕として働くヤクザです。竜哉の本当に直属の“片腕”ですね。竜哉に命令されたことを調べ、身の回りの世話から片づけまで、何もかも全部すんなりこなしています。ドラマでは描かれていませんが、深町は竜哉に言われたことを100%こなしてしまうデキる男なんです。そこが表現されていないのが残念ですが、竜哉にとっては重要な人物ですね。
――デキる男ということですが、そこを意識して演じているんでしょうか?
いやいや、あからさまにお芝居で表現しているわけじゃありません。ただ動揺せず、目を見ず、竜哉に言われたことを迅速にこなす、ということを意識しています。だからと言って演じていく中で、それを言葉でわざわざ説明するわけじゃないんですけど。内に秘めてあまり大きな芝居もしていないので、じっと竜哉の言うことを聞き、指示された時にすぐ返事をするということを心掛けています。多少の疑問を感じることもあるんですけど、竜哉には反抗をしないですし。ちょっと抑えた方が良いんじゃないか?って思うくらい暴走し始めていたとしても竜哉の命令は聞く。深町にとっては竜哉が絶対なんです!
――最初にプロデューサーの方から「こんな感じに深町を演じてくれ」みたいなオーダーはあったんでしょうか?
今回はありませんでした。クランクインの時も何の演出もされず「まずはやってみましょうか」って感じで自由にやらせてもらいました。僕の演技がもっとおチャラけた感じか、もっと子分的な雰囲気をイメージしていたらしいんですけど、それとは真逆のキャラにしたから、みんなビックリしていたみたいです。まさか“竜哉に目を合わせられない部下”がやってくるとは思わなかったみたいです(笑)。深町は過去に何があったんだ?って思われるぐらいの…でも「それでいきましょう」ということになり、今に至ります。
――すごくクールで、抑え目のトーンじゃないですか。生田さんも会見で「こんなトーンのムロさんは初めて見た」とおっしゃっていましたが(笑)。
僕もこういう雰囲気にしようって最初から思っていたわけじゃないんですけど、何回か台本を読んでいるうちに出てきました。無理して出てきたわけじゃないので、自分的にはこの役に関して全く違和感がないんですけど、脚本の古家(和尚)さんには失礼ながらたまに口調や語尾を変えさせていただいています。あまりヤクザっぽくないというか、どちらかと言うとインテリヤクザに近い、暴力的じゃない感じに。それもあって、それほど違和感なくやらせてもらっています。もちろん元々自分の中にあるものではないので、台本から出て、本の中のキャラと自分を重ねて出てきたものなんでしょうね。
――ちなみに今回は原作本を読まれましたか?
原作のことは生田くんや小栗くんから聞いていたので知っていましたが、僕は読みませんでした。クランクインする前に生田くんに「どうだろう、読んだ方がいいかな~?」って相談したんです。僕はいつも原作モノを演じる前はいつも迷うんですけど、たとえば監督や演出担当の方に読んだ方がいいと言われたら読みますし、「どっちでもいいよ~」って言われた場合はあまり読みません。と言うのも原作を読んでしまうとその原作に縛られてしまうので。特にマンガだと、ビジュアルとキャラクター説明がしっかりとあるので、そこをなぞるのはどうかなということもあるし、それよりは監督の意向でなぞった方が良いってこともあるじゃないですか。今回に関しては監督から演出に関してそういう指示はなかったので、主演の生田くんに聞いてみたら「深町に関しては俺は読まなくていいと思うんだよね~」って言ってくれました。深町は原作ではそんなに描かれていないですし、それだったら自分なりの深町を作り上げた方が良いんじゃないかなと。だから今でも読んでいません。ドラマが終わってからゆっくりマンガの世界に入ろうかな。今は実写版の竜哉を崇拝していますし(笑)。あまりそこはブレない方がいいかなと。
――では、その実写版・竜哉について。小栗さんとの共演は多い方ですか?
実はあまり共演したことがないんですよ。舞台で1回と、彼が主演していた刑事ドラマでひったくり犯役でちょっと出たくらい(笑)。それぐらいかなあ。あと、映画監督と役者としての立場で少し一緒に仕事をしているんですが、意外と小栗くんとの共演は少ないんですよね~。彼との付き合いは10年くらいになりますが…。
【「ウロボロス」個性派俳優に直撃!ムロツヨシ(2)へ続く。同記事は3月6日(金)午後1時に配信予定】
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