10月23日(金)、関ジャニ∞・錦戸亮主演ドラマ「サムライせんせい」(テレビ朝日系)がいよいよスタートする。
同作は、幕末の志士・武市半平太(錦戸)が、およそ150年の時を超え、現代にタイムスリップして現代の日本を斬りまくるSFコメディーだ。設定を聞くだけでワクワクさせられる本作を、一足先に視聴し、見どころを紹介する。
第1話は、主君への不敬罪で切腹を命じられた半平太が、覚悟を決め、刀を腹に突き付けるのだが、次の瞬間、半平太は自分が生きたまま、田舎道のど真ん中で寝ていることに気付く。幕末の日本には存在し得ない軽自動車や、見慣れない格好をした日本人の姿に、半平太はぼうぜんとする。
同志が手引きして、自分を切腹から救い出してくれたのだと勘違いした半平太は、必ず土佐に戻ると決意するが、今いるのは150年後の片田舎「神里村」。もちろん、帰るすべなどなく、幕末の世で自分が排除しようとしていた西洋文化にまみれる周囲の状況に、ただただ憤りと驚きを覚える。
一方、侍の格好をした不審人物の出現に、現代の村人たちもオロオロするばかり…。そんな中、通報を受けた「神里村役場」の職員・晴香(比嘉愛未)は、スーパーに迷い込んだ半平太の元へ駆け付け、ひとまず事情を聞く。
だが、いまだにタイムスリップしたことを自覚していない半平太は、獄中への逆戻りを恐れ、その場から逃げ去ってしまう…というストーリー。
前クールの「民王」でも、腹を抱えて笑わせてもらったが、金曜ナイトドラマ…またやっちゃいますか。もう、周囲の人に不審者だと思われるんじゃないかってほど笑ってしまった。
何といっても、錦戸扮(ふん)する半平太の立ち居振る舞いがいい。そもそもマゲ姿での和装が似合い過ぎな上、キョトンとする顔、訝しがる顔、かと思えば急に日本を憂いて真面目に語り出す顔、実に微妙な表情の変化を丁寧に演じている姿が好印象だ。
また、自分がどこにいるのかが分からない状況の中、心の声をナレーションで語っているが、そのせりふも妙にリアルで、プロボクサーのジャブのように徐々に効いてくる。
特に“泥そば”のくだりなど、もはやコントかと思ってしまうほどで、コメディードラマを飛び越えて、シチュエーションコメディーだと思って見てもらってもいいかも。
もちろん錦戸ザムライだけでなく、取り巻く比嘉、梶原善の“安定の巻き込まれ感”だったり、藤井流星、黒島結菜の“バカップル”ぶりだったり、スナックママ役の石田ニコルの“勉強って何すか感”だったり、周囲の人の油断も隙もない演技も見もの。
“初ギャル姿”が話題の黒島は、あえてそう演出しているのか、はたまた天然か、ギャル慣れしていない演技が抜群にササる。あの「チョリッス」は流行語にな…ることはないだろうが、ついつい使ってしまいたくなるかわいらしさがある。
そして、このドラマの精神的支柱と言っても過言ではない森本レオの存在感はさすがの一言。半平太の言葉を借りれば「懐が深い」ということなのだろうが、全てを包み込んでくれるオーラを存分に放っており、つい「おじいちゃん!」って言って駆け寄ってしまいたくなるほどのそれがそこにはある。半平太と佐伯(森本)のシーンは、ほっこり優しい気持ちになれそう。
もちろん、半平太が日本を憂える発言や行動を見れば、日本人が忘れかけていた大切なことを学べそうだし、日本史にそれほど明るくない拙者でも、難しいせりふには補足が付いているので、見やすい仕上がりになっている。
いやはやしかし、親子の入れ替わりの次は、幕末から現代へのタイムスリップ。さすが日本が世界に誇るアニメ「ドラえもん」を生んだテレビ朝日だけに、時空を超えるのはお手の物ですね。もちろん今回も抱腹絶倒を約束しますよ。
もし面白くなかったら切腹してもいいけど…幕末に行くのは御免ですね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)