【試写室】「グ・ラ・メ!」美しい料理にヨ・ダ・レ!

2016/07/29 05:00 配信

ドラマ

「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」で主演を務める剛力彩芽(C)テレビ朝日

7月29日(金)に放送される、剛力彩芽主演の金曜ナイトドラマ「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」(夜11:15-0:15ほか、テレビ朝日系)を、一足先にDVDで視聴し見どころを紹介する。

本作は、剛力演じる天才女性シェフ・一木くるみが“総理大臣の料理番”となり、総理官邸にやって来ることから始まるドラマ。

第2話では、フランス駐日大使を招き、官邸で昼食会が開かれることに。総理の料理番となったくるみは、大使の出身地や来日歴などを調べ、入念に準備を開始する。

一方、これまで官邸食堂総料理長として来賓をもてなす一切を取り仕切ってきた清沢(高橋一生)は、自分が海外出張で不在の間に総理秘書官の古賀(滝藤賢一)がくるみを招き入れたことに、憤りを覚えていた。しかし、古賀の有無を言わせぬ態度に、清沢は“皇帝のほほ笑み”と呼ばれる、余裕の笑みを見せる。

だが昼食会当日、くるみは思いがけない出来事に直面。そしてその窮地(きゅうち)を清沢に救われる。清沢は「料理にメッセージを込めるなどとはこざかしい!」とくるみのポリシーを真っ向から否定し、くるみはその清沢の言葉にただ立ち尽くすばかり…。

その頃、古賀は総理の阿藤(小日向文世)に「一木くるみを使い続けるには、清沢をうまく使うことも必要かと…」と進言しており、何やらくるみの頭上に暗雲が立ち込める。

そんな中、シンガポールの一流企業「ネプチューン・コーポレーション」の女性CEOオリビア・リー(ジュディ・オング)を官邸の昼食会に招くことに。日本の電子メーカーに出資をしていた同社は、現在資本撤退を考えており、もしもそれが現実になれば巨額の損失を出し、国内で10万人の失業者が発生する可能性も。

日本経済にも大きな影響を与えることになると危惧した阿藤は、何とかリー会長に撤退を阻止したいと考え、くるみと清沢の2人に、10万人の失業者を阻止する為に、それぞれが最高の料理を作り会長をもてなすよう命じる。昼食会を翌日に控え、時間のない中で準備を始めた途端、リー会長からとんでもない要求が申し渡される…というストーリー。

今期よもや3作品あるという金曜夜の“飯テロ”ドラマ。中でも本作は、他の2つと違って“THE・男の料理”といった類いのものではなく、見目麗しいフレンチ、創作料理が目を引く。

今回はフランス駐日大使、女性CEOを相手に料理を振る舞うのだが、やはり息をのむ美しさと調理シーンの躍動感。そして主人公のくるみだけでなく、高橋扮する清沢の格好良過ぎる立ち居振る舞いには、テレビを見ているだけなのにまるで高級フレンチを食べにやってきたような感覚すら覚えるほど。ヨダレが出っ放しだ。

ちなみに、清沢の指示に清沢会の料理人たちが「ウィー、シェフ!」と応える姿は、どことなく某“失敗しない女医”のドラマでの「御意!」に通じるものがあるような。それくらい総料理長というのは絶対的存在なのだろうし、彼もまたメスならぬ包丁を握れば失敗しないのだろう。あの皇帝のほほ笑みで、高橋はまた女性ファンを増やしそうだ。うらやましい。

おっと本音が。そして、このドラマで剛力と高橋を引き立てるいい“調味料”として、調理シーンで絶妙な味を引き立てているのが、亀助さん…いや、田村友和役の三宅弘城だろう。彼の一挙手一投足を見ているだけで、「あ、くるみがピンチなんだな~」とか「あ、清沢ってすごいシェフなんだな~」というのが一目瞭然だ。

そういう意味でも重要な存在であることが分かるが、例の亀助にもどことなくキャラ的に通じるものがあるような気が。女性ヒロインに振り回されるようなところも。この際、“あさロス”の観客も一気に取り込んじゃおうという狙いなのだろうか…だとしたらびっくりぽんだ。

そろそろ怒られるころなので、本筋に戻ると、第2話最大の見どころはジュディ・オングだ。どこからくるのだろう、あのオーラたるや、首脳会談に臨席する女性大統領のようないでたち。小日向演じる阿藤総理と相対した時の2人を見比べると、小動物的かわいらしさのある(失礼)小日向を食おうとするヘビのようにも見える。

くるみと清沢の料理がどんな結果になるのかは放送でのお楽しみだが、彼女の風貌だけでもおいしいご飯が味わえそう。まさに女は海だ。

しかし、第1話の中尾彬もそうだし、今回のフランス大使の大使っぽさ、ジュディ・オングの女性CEO感、総理の優秀な秘書官・古賀の渋過ぎイケメンの雰囲気、古書店店主・神田役の片桐仁の振り回されっぷり、総理の娘でゴスロリ女子役の内藤理沙、笑わない女性秘書役の松尾幸実…絶妙な配役。もとい「グ・ラ・メ!―」内閣の組閣には感服するばかりだ。

もちろん主演の剛力の調理姿も天才シェフのそれに見えるし、エンディングのダンスも天真らんまんなキャラクターを表していて実にほのぼのとするが、特に築地の食堂でおいしそうにご飯を頬張る姿には、ハートを射抜かれる男子も多いのでは?

そういった見どころ満載の本作。ランチに後輩女子とフレンチ巡りをするようなボンボンの某記者も、恐らく念願のグルメドラマだけに毎週楽しみにしているに違いないが、グルメ通な人でも納得できる濃い内容になっている。

かくいう筆者は、てっきりグラメという名前のヒロインが活躍するドラマだと思っていたくらい、グルメ関係には疎いのだが、そんな人間でも勉強になる情報が毎回登場するので、知らなくても毛嫌いせずに見てほしい。

ただ、どうしても年と共にやっぱり頭が固くなってしまっているので、くるみのように本を読んですぐ暗記できる脳がほしいのう。

さておき、話題の「ポケモンGO」を楽しむのもいいけど、剛力主演のこのドラマを見ればすぐにお腹が空いて仕方なくなるはずなので、ご一緒に第2話を「Confection!」