広末涼子、伊藤淳史、濱田岳の主演で放送される「ドラマスペシャル 湊かなえサスペンス『望郷』」('16年テレビ東京系で放送)に、水野美紀、倍賞美津子、田中圭、椎名桔平、若村麻由美、内山理名、麻生祐未らが出演することが分かった。
本ドラマは、瀬戸内海のある島で生まれ育った人々の、切なくもいとおしい人間模様を描いた湊の連作ミステリー短編集「望郷」から「みかんの花」「海の星」「雲の糸」の3編をオムニバスドラマで映像化した作品。
■「みかんの花」あらすじ…対岸の市に吸収合併されることになった白綱島市に暮らす富田美里(広末)が主人公。20年間島を離れていた人気小説家であり実姉の桂木笙子(水野)を憎んでいるが、再会を果たすとある事実を知ることに。
水野は、15年ぶりに広末と姉妹役で共演。また笙子と美里の母・富田安江は倍賞が演じる。美里の初恋の相手・奥寺健一役で田中が出演。田中は20年前、バッグパッカーとして島にやってきた青年で、ミカン狩りを手伝った後、富田家に居着くという設定だ。
水野は「『みかんの花』は、島で暮らすごく普通の家族の、過去に封印したある事件の記憶をひもとくミステリーです。『大切なものを守るために』とらわれ、足を踏み外す人間の機微を、因島の美しい景色が包み込んでいます。ぜひ、お楽しみください」とコメントを寄せた。
ほか、美里(広末)の15歳の頃を演じる山口まゆ、20年前に笙子と付き合っていた笙子の同級生・宮下邦和役で水橋研二、美里と達也の娘で東京に憧れを持つ富田美香子役で田辺桃子、美里の夫・宮田達也役で中村靖日が出演する。
■「海の星」あらすじ…25年前、浜崎洋平(伊藤)の父・秀夫(橋本じゅん)がこつぜんと姿を消す。毎夜、母・佳子(若村)と父の行方を捜していた洋平は、漁師の真野幸作(椎名)と親しくなるが、あることを機に疎遠になってしまった。その幸作の娘・真野美咲(平山あや)から洋平にはがきが届く。
夫の帰りを信じて待ち続けるけなげな妻で、洋平の母・佳子を演じる若村は、「ある日突然、いなくなった夫を探すため、歩き続ける半生は過酷でした。因島の夕焼けと美しい海が切なく迫り忘れられません。ぜひ、ご覧いただきたいです」と役に没頭した様子。
浜崎母子に、近づく“おっさん”漁師・幸作を演じる椎名は、テレビ東京のドラマ初出演。椎名は「湊さんの短編小説をドラマ化するので、その中の一編『海の星』の、オッサンという役をやらないかという依頼をいただいた。以前、湊さん原作の連続ドラマ『Nのために』('14年TBS系)を見て感銘を受けていた私は、二つ返事でお引き受けした」とオファー時の心境を明かした。
続けて「本作はサスペンスであるものの、ますますデジタル化していく現代への警鐘を感じさせる人間ドラマ。その珠玉の物語を、自身初となる漁師役を通して大いに楽しませていただきました」と語った。
ほか、洋平(伊藤)の少年期を演じる加藤清史郎、洋平の妻・浜崎友美役で紺野まひる、美咲(平山)少女期を演じる平祐奈、洋平の大叔父役でモト冬樹らが出演する。
■「雲の糸」あらすじ…白綱島出身の人気歌手・黒崎ヒロタカ(濱田)にとって、赤ん坊の頃に母の磯貝律子(麻生)が事件を起こしたため、つらい少年時代を送った故郷は知られたくない過去だった。同級生の強引な誘いで島に戻ったヒロタカは、盛大な拍手や歓声に迎えられながらも居心地の悪さを覚えていた。そんな中、ヒロタカは7年ぶりに帰ってきた故郷で海に転落し、意識不明に陥る。
律子が犯した罪の真相を知るヒロタカの姉・磯貝亜矢役の内山は「濱田岳さん演じるヒロタカの姉を演じさせていただきましたが、深く閉ざしているヒロタカの心を姉でしかできないやり方でぶつかっていくラストシーンは、言葉一つ一つ大事に演じました」とコメント。
お薦めのシーンを聞かれると、「この因島を感じさせるラストシーンを撮りながら海に夕陽が落ちていく瞬間は、主人公ヒロタカの生きようとしている力強さと一体になり、ぜひ皆さんに見てほしいシーンです」と熱弁した。
ほか、亜矢(内山)の少女期を演じる井頭愛海、鉄工所の社長・的場を演じる西岡徳馬らが出演する。
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