伊藤沙莉主演の映画「タイトル、拒絶」(※R15+指定作品)が11月13日(金)より全国で順次公開となる。
それぞれが抱える事情にあらがいながらも力強く生きようと進むセックスワーカーたちを生々しく描いた本作。第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門でワールドプレミア上映を飾り、伊藤が東京ジェムストーン賞を受賞した注目作だ。
メガホンを取った山田佳奈氏は、劇団「□字ック」の主宰で劇作家・演出家。話題を呼んだ配信ドラマ「全裸監督」(2019年)の脚本に携わったことでも知られる。
本作「タイトル、拒絶」は2013年に初演した同名舞台の映画化で、山田監督にとっては長編初監督作品。山田監督が、本作誕生の経緯や込められた思いをインタビューで語った。
――「タイトル、拒絶」はどういったきっかけで生まれたんですか?
山田「“女性性”に対する違和感のようなものは、ずっと持っていたんです。10代から20代、レコード会社で宣伝の仕事をしていた時もそれはありました。
各レコード会社では容姿が美しい人や、男性の懐に飛び込むのが上手な女性は花形の様な扱いを受け、一方で彼女たちを盛り上げられる飲み会要員といった、いわゆる“ひな壇芸人”的な女性も同時に存在する。私自身、学生時代にクラスの隅っこにいるような人生を歩んで来ていたので、自分の女性的な価値や、仕事においても男性と比べられて勝ることが難しい現実、さらに女性界においても勝てないな……みたいなフラストレーションは常に感じていました。自己価値感も低く、自我を確立できてない状態なので、『このままで自分はいいのか?』という疑問に向き合う形で再び演劇を始めたんです。
当初は『山田の描く女性像には“畏怖”を感じる』と言われたこともありますが、試行錯誤する中で、等身大の女性たちの作品を書くようになった中の一本が『タイトル、拒絶』でした」
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