撮影はもう1年前のことで、勸玄くん、ぼたんちゃんともまだまだ表情に幼さが残る頃でしたが、役衣装となって現場に入った時には立派な役者で、監督の指示や海老蔵さんのアドバイスを真剣に聞き、実践していく姿は既にプロフェッショナルでした。視聴者の心に残るとても良いシーンになったと思います。
余談になりますが、どちらの現場も海老蔵さんの出番はなかったのですが、撮影を見守る海老蔵さんは、時に父として、また厳しい師匠として、くるくると表情の変わるのがとても印象的でした。
1560年、清洲城。27歳の織田信長(市川海老蔵)が「敦盛」を舞っている。
同じ時、今川軍の先鋒・松平元康(後の徳川家康)は織田軍の砦の前で、その采配を振るう時を待っていた。駿河の総大将・今川義元(三上博史)が織田家の領地・尾張をわが物にするべく、2万の大軍をもって進攻してきたのだ。
前夜、今川軍に対し籠城策を訴える家老衆をあしらった信長は、翌早朝にたった5人の小姓を従えて清洲城から姿を消した。恐れをなして逃げたのだという生母・土田御前(黒木瞳)に対して、濃姫(広瀬すず)は決して逃げたりはしないと言い切り信長の身を案じる。
信長は木下藤吉郎(中尾明慶)ら信用できる者たちを動かし今川軍の情報を集め、義元が大高城に向かうのではなく、織田軍と戦う構えで桶狭間にいることを突き止めた。やがて、織田軍本陣に家老衆が軍勢と共に到着したが、その数は2千ほどで、今川軍との差は圧倒的だった。
2万VS2千。果たして信長はどんな戦略でこの大軍に立ち向かうのか。奇跡の戦いが今始まろうとしていた。
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