<おちょやん>星田英利&板尾創路、喜劇俳優役で“本物”の存在感!人間の猥雑さ・苦味も表現

2021/02/06 08:00 配信

ドラマ

板尾創路は朝ドラをシュールにする

「おちょやん」第17回 (C)NHK

星田演じる千之助と板尾演じる万太郎は、かつては一緒に劇団をやっていたものの袂を分かったという設定。

別々に活動することになると、万太郎の一座は大人気劇団になり、万太郎は喜劇王と呼ばれる。その一方で千之助は一緒にやっていた天海天海(茂山逸平)が急死したことでくすぶっている。

板尾創路はさほど出番がないにもかかわらず、ちょっと出てきただけで、視線を集めてしまい、喜劇王の役割を存分に果たしている。

第43回では、洋服を付き人が左右からはいで(舞台の早替えふう)、ふんどし一丁のハダカになってから浴衣に着替えるという登場シーンで「なんやようわからへんけど すごいな」と千代を圧倒する場面に妙な説得力があった。

それをやる必要があるのかないのかわからないが、短いシーンにもかかわらずしっかりハダカになっていたことも立派だなあと思う。

板尾はそこに立っているだけでシュールな雰囲気が出る稀有な芸人であり俳優だ。

「まれ」では主人公・希(土屋太鳳)の最初の就職先・役所の上司・紺谷課長役で、やっぱりシュールなところを担当していた。

忘れられないのは第37回。希が辞表を出すと、課長が彼女のまわりをぐるぐるまわりだし、「すみません、まわらずに話を」と言いながら希も一緒にまわる。

ふたりはぐるぐると1分間近く、速度も上げながらまわるという、謎の場面。ストーリーとは関係なく、その瞬間がとてもおもしろかった。

余談だが、2月11日公開の映画「ファーストラヴ」(堤幸彦監督)に殺されるお父さん役で板尾が出ていて、死に顔が不謹慎ながらものすごくインパクトがある。彼のその顔を見るだけでも価値がある。

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