助演女優賞は「エール」二階堂ふみ! 歌唱シーンは「毎回、悔しい思いをしながら」

2021/02/18 18:00 配信

ドラマ

「エール」の二階堂ふみがドラマアカデミー賞で助演女優賞を受賞(C)NHK

光子さんの背中を見て感じていたものを投影できたら、と

――演じた音は歌手を目指していたものの早くに結婚をして娘を出産。ドラマ後半では、母親として娘の就職や結婚を経験するところも演じましたね。

私は子供を産んだ経験もないですし、母親になるという感覚も未経験だったので、それをどこまで自分の中で育てられるのかなと思っていたんですが、音の母・光子を演じた薬師丸ひろ子さんとのお芝居の中で、「光子さんのこういうところを音は受け継いだんだろうな」とか、ヒントになるものをたくさんいただいていたので、音についても光子さんの背中を見て感じていたものを投影できたらと思いました。

光子さんに似ているというか、どこか面影を感じるといいますか…。若い頃よりも年を取ってからのほうが似てくるんじゃないかなと思ったので、やっぱり光子さんと血がつながっているんだなと感じられる瞬間があるといいなと。

――ドラマ後半、娘が大きくなり、音が若い頃に目指していたオペラに再挑戦するものの、夫の知名度で主役に選ばれたことを知り、降板するくだりはせつなかったです。

あれはなかなかに複雑な事情で、誰が悪いわけでもない話なんですよね。けっこう深い話で、歌手としてステージの真ん中に立つことだけが全てではないというか、それを支える方々もいるわけで、音も子供の頃からいろんな経験をして感じてきたことが、あのくだりで表現されるのかなと感じていました。

音は自分が歌い手として表に立つということではなくて、(音楽教室を開き)自分は楽しく歌と接していくことを選んだ。音楽をあきらめたというより、また違うチョイスをしたと捉えて演じさせていただきました。

――産後の第一線復帰が難しいという点は、現代の女性に通じると思いましたか。

どの時代の女性もいろいろなものと戦っていますからね。音のモデルになった古関金子(こせき・きんこ)さんがすごくバイタリティにあふれた方だったっていうのを資料や息子さんのお話で知っていました。自分のやりたいことに対してまっすぐな気持ちを持つ女性が、今もたくさんいらっしゃると思いますけど、もっともっと増えていくといいなとも思います。男女の違いもなく、それぞれの人が自分のやりたいことを見通していける時代になるといいのかなと感じました。


関連番組