助演女優賞は「エール」二階堂ふみ! 歌唱シーンは「毎回、悔しい思いをしながら」

2021/02/18 18:00 配信

ドラマ

「エール」の二階堂ふみがドラマアカデミー賞で助演女優賞を受賞(C)NHK

悔しい思いも役柄に投影できた

――これまでの二階堂さんはあまり歌うイメージがなかったのですが、このドラマの歌唱シーンは評判になりました。

これまでむしろ歌は苦手でした。嫌いではないけれど、上手ではないんです。ほとんどゼロからのスタートでした。それでも自分で歌うことにしたのは、音役のオーディションでは歌うというのが条件でしたし、モデルの金子さんがすごくお上手な方だったっていうのは資料でも拝見したので…。私なりにできる限りの努力をしましたが、本当に毎回、悔しい思いをしながら、やればやるほど自分の実力不足を痛感し、「なんでこんなにきれいに歌えないんだろう」とも思いました。

でも、そういう経験も音の役柄に投影できたので、すごくいい期間だったなと思います。ただ、まさか紅白歌合戦で歌うことになるとは、最後まで想像してなかったです(笑)。

――しかし、現在では歌うことに自信がついたのではないですか。

自信はつかないですし、どれだけ練習しても足りないと思います。共演の皆さんはプロの歌手の方も多かったので、本当に自分はまだまだだなって思いながらやっていました。ただ、そこまで得意じゃなかった自分が練習をして「すごくよかったね」という評価をいただけたのは、すごくありがたいなと思いましたし、その過程を見ていた方々が「自分もできるかも」という気持ちを持ってもらえることにもなったんじゃないかなと。その経験をして俳優でよかったなと改めて思いました。

――先生やキャストからのアドバイスは?

歌唱指導はBREEZEというジャズグループの方々で、小菅けいこ先生の指導を受けました。歌う時のテクニックや技術面、精神的な面も含めてすごく支えていただきましたね。練習を積んでもなかなか腑に落ちないとか、お手本を聞いたとおりにやっているはずだけどできないというときもけっこうあったんですけど、小菅先生の指導の言葉はスッと頭に入るし、分かりやすくて面白いレッスンだったので、練習時間がすごく楽しかったです。「言葉を大事にしてね」というアドバイスが印象に残っています。

――最終回後のコンサートで歌った「長崎の鐘」は古関裕而さんの代表曲。歌ってみてどうでしたか?

実はオーディションで歌った曲でもあり、最も長く練習した曲でした。ただ、全ての要素が難しい歌ですよね。言葉も強いですし、転調もするし、歌えば歌うほど難しいなあと実感する曲でした。でも、古関さんが希望を込めた曲で、すごく力強い曲だなって思いましたね。

――2020年4月からの緊急事態宣言下、撮影中断期間も歌の練習をなさっていたのですか。

毎日、自宅で歌の練習をしたりピアノを触ったりしていました。歌もそうですけど、これまでピアノを弾いたことなかったので、ピアノを弾くシーンのために練習をしていました。歌は練習を続けた結果、喉がかれにくくなりました。たぶん声帯が鍛えられたんじゃないかと(笑)。


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