ドラマ初出演![Alexandros]川上洋平インタビュー!「漱石という役を手放したくないなって思ったんです」<ウチカレ>

2021/02/24 12:00 配信

ドラマ

「僕がゴンちゃん役をやっていた可能性だってあると思います(笑)」と川上撮影=諸井純二


碧さんの彼氏候補として抜擢されたので、やるからにはやっぱり碧さんと結ばれたいと思っています


友達のような関係性の母と娘、それぞれの恋愛が描かれる「ウチカレ」。脚本を読んだ印象というと?

「母と娘の恋愛が競い合うようにして同時に進行していくドラマは今まで観たことなかったので、『新しいな』って思いました。ジャンルとしてはラブコメかもしれないですけど、僕は結構バディものだとも思っていて。碧さんと浜辺(美波)さんが演じる娘の空ちゃんとのやりとりの間に入ることが多いんですけど、碧さんは碧さんの年代ならではの主張や意見があって。それを理解できずに反発する空ちゃんとぶつかったりするんだけど、根底にあるのはやっぱり親子愛で。反発し合いながらも、手を取り合って進んでいこうという二人のパートナーシップって、映画の『バッドボーイズ』みたいなバディ感があってかっこいいなって(笑)。

碧さんの空ちゃんに対する『そろそろ彼氏作りなさいよ』っていう気持ちは、そういうことを思う人もいるという事実としてありますよね。それに対して空ちゃんは、今の時代の子として、『お母さんにそんなこと言われる筋合いないよ』っていうすごく全うな主張をしている。どっちが正しいか正しくないかは言ってなくて、意見のぶつかり合いを描写しているだけなんですよね。それってすごく客観的な目線だと僕は思っています」

初のテレビドラマ出演ということで、新鮮な驚きがたくさんあるようだ。

「昔見ていたテレビ番組の『NG大賞』とかだと、NGを出した人が『ごめんなさい!! わ~!』みたいな感じですごくさわがしい印象があったんですけど(笑)、静かな中で、『はい、本番!』っていうスタッフさんの緊張感のある声が響くというか。前室にいるときは割と皆さんざっくばらんな感じで話してるんですけど、セットの中では静かにセリフを読んでいる雰囲気なんです。僕らミュージシャンでいうと、セットの中はライブのステージみたいなもので、そこではやっぱり皆さんスイッチを入れてるんだなって。でも、有田(哲平)さんがいるときはセットの中でもにぎやかですね(笑)。
 
僕は待ち時間はOS-1を飲んで過ごしていることが多いです(笑)。あとは菅野さんがマネジャーさんと話している横で黙ってたり(笑)。というのも、もしかしたら集中しているかもしれないから、話し掛けていいのか分からないんですよね。
でも、めっちゃ仲良い感じで和気あいあいとしているよりも、緊張感を持って、スイッチを入れて役に入っていく感じの方が僕としても良くて。
僕は、音楽活動でフェスに出たときも、楽屋から出るのは飯食うときくらいで、あとはずっと楽屋にいるくらいだし(笑)。そうやって気を引き締めて、『絶対、俺がこのフェスで舵を取ってやる』という気持ちで臨んでるんです。
だからもし、自分が浜辺さんと同年代の役者さんで、ライバルとして比べられたらものすごくヘコんじゃうんじゃないかなって思います。それくらい、存在感のある方です」

熟練の役者陣に囲まれての演技。特に印象に残ったシーンについて訊いてみた。

「第4話で菅野さんとふたりのシーンで僕が泣くところがあったんですけど、すごく難しかったんです。台本にはなかったんですが、監督が『菅野さんも涙ぐんでみようか?』って提案したら、菅野さんがパッて泣いていて、『そんなすぐ泣けるんだ? ほんとこの人すごいな』と思って。撮影が終わったあと菅野さんに『失礼を承知で言うんですけど、本当にすごいですね!』って言ったら、『いや~、長年やってますから』って。それはそうだなって思いました(笑)。だから俺が音楽活動において『よくそんなに高いキーで歌えますね。どうしたら出るんですか?』って言われたとしても、『まあ長年やってますからね』って言うのと同じだなって(笑)。それで、何かアホなこと言っちゃったなって反省しました」

では、ドラマのラストに向けてどんな展開を期待しているのだろうか。

「僕は菅野美穂さん演じる碧さんの彼氏候補として抜擢されたので、やるからにはやっぱり碧さんと結ばれたいと思っています。だから、『頑張れ漱石!』って思ってます(笑)」

取材・文=小松香里