本日3月13日に最終回を迎えるよるドラ「ここは今から倫理です。」(NHK総合)が、異色で面白い。本作は、20代を中心に人気を誇る雨瀬シオリの同名コミックを実写化した学園ドラマ。高校を舞台に、ミステリアスで風変わりな倫理教師・高柳(山田裕貴)が、さまざまな問題を抱えた生徒たちと向き合い、時に同僚の教師たちとも衝突する姿を描く。
日々価値観が揺さぶられ続けるこの世界で、新時代のあるべき“倫理”を問うこのドラマ。それは物語の中だけにとどまらず、私たち視聴者の日常をも問い直す。ただ画面越しに見るだけではなく、ドラマ内で起こる物事を一緒になって考えさせられる、そんな面白さがあるのだ。
では、なぜ今、漫画「ここは今から倫理です。」を実写ドラマ化することになったのか。チーフプロデューサーの尾崎裕和氏と、チーフ演出かつ企画者である渡辺哲也氏にその経緯と制作秘話を聞いた。
――まずはこれまでの経歴、どんな作品に携わってきたのかを教えてください。
渡辺:実は僕と尾崎さんはNHKへの入局も同期で、ドラマ部に異動になったタイミングも同じなんですよ。2007年にドラマ部(現:制作局第4制作ユニット)に来たのですが、だいたいドラマ部での仕事は大河(ドラマ)や朝ドラ(連続テレビ小説)の助監督から始まります。そして、助監督をしながら一本だけ撮らせてもらえるのですが、僕が初めて演出を務めたのは、「ゲゲゲの女房」(2010年)という朝ドラでした。
また2011年には、僕のキャリアの中では珍しく、自分で提案した「生むと生まれるそれからのこと」という単発ドラマも撮らせてもらっています。その後、大河ドラマ「真田丸」(2016年)をはじめ、ほとんどは大河か朝ドラの演出を担当していました。ちなみに、山田裕貴さんとの出会いは、朝ドラの「なつぞら」(2019年)でしたね。
尾崎:僕も演出や助監督を経て、今はプロデューサーをしています。プロデューサーとしては、「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」(2019年)や「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。」(2019年)といった、同じよるドラ枠での初期のドラマを担当したほか、朝ドラの「エール」(2020年)にも入っていました。2022年に放送予定ですが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でもプロデューサーを務めています。朝ドラと大河をやりながらよるドラもやってる感じですね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)