<大豆田とわ子と三人の元夫>佐野亜裕美Pが制作の経緯を明かす「最初は男女逆で、男性の弁護士が主人公で」【インタビュー前編】

2021/05/29 07:00 配信

ドラマ インタビュー

「大豆田とわ子と三人の元夫」より(C)カンテレ

――「大豆田とわ子と三人の元夫」の企画の成り立ちを教えてください。

以前に坂元さんと一緒に「カルテット」(2017年、TBS系)というドラマを担当し、その後に「また一緒にやりたいです」とお願いしていくつか企画を立て、その中の一つにこの作品がありました。

コロナ禍ということもあり、どんどん社会に閉塞感が増していく中で、坂元さんのドラマに勇気づけられる人がたくさんいると思うし、何より私が一視聴者として坂元さんのドラマを見たいけど、当時坂元さんはテレビドラマをお休みしていました。だったら自分でお願いするしかないと思い、坂元さんに「また連ドラやりましょうよ」と働きかけました。

私の知人が2016年に突然亡くなってしまうということがありました。人が急に死んでしまったり、一人で生きていかなければならない状況を抱えたり、一人で生きていくことを肯定的に自分で選んだ人もいると思いますが、一人で生きていく人を応援するドラマにしたいね、というところから、坂元さんが作ってきたキャラクターが「大豆田とわ子」です。

最初は男女逆で、男性の弁護士が主人公で3回離婚していて、3人の元妻がいる設定でした。でも、男女逆の方が面白くなるのではないか、など意見交換を重ねて今の形に固まっていきました。

今回はキャストが先にあってということではなく、企画が先にあり「これをやるのは松たか子さんしかいないよね」ということで、松さんがやると言ってくれたら、(このドラマを)やろうと話してオファーをしました。

――坂元さんが脚本をやりますと承諾してくださったのはいつ頃ですか?

坂元さんは「やります」と最後まで言わないんです。「連ドラの企画出していいですか」と言ったのは2019年の年末で、最終的にやることが決まったのはコロナ禍になってからです。