“百音”の頬を美しい涙が伝う…清原果耶が丁寧に表現する心のひだ<おかえりモネ>

2021/09/21 22:10 配信

ドラマ レビュー

【写真を見る】菅波(坂口健太郎)を見つめる百音(清原果耶)「おかえりモネ」第80話より (C)NHK

清原果耶がヒロインを務める連続テレビ小説「おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。9月21日放送の第92話は、実家が「風か竜巻かわからない(明日美)」が、被害に遭ったと知り百音(清原)が急きょ帰省するという展開。言葉にならない感情の高ぶりを繊細に表現した清原に、視聴者からも賞賛の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)

明日美(恒松祐里)から、実家のカキ棚が大きな被害を受けていると聞いた百音。状況がわからず動転する中、菅波(坂口健太郎)の「どうして自分で行かないの?」「また言うの?『何もできなかった』って。もうそんなに無力じゃないでしょ。『あの時いなかった』って思いに押しつぶされてきたのは誰ですか?」の言葉で決心し、取るものもとりあえず島へ向かった。

百音(清原)を「また言うの?何もできなかった、って」と奮い立たせる菅波(坂口)「おかえりモネ」第92話より (C)NHK


実家に着いた百音が目にした光景は、想像とは違っていた。もう深夜になろうというのに、漁師仲間だけでなく百音の幼なじみも集まって後片付けをする様子はなんだかワイワイ賑やかで、まるでお祭りの準備でもしているかのようだ。

物陰でその様子を見ていた百音の頬を涙が伝った。脳裏には、何度も反すうしてきた8年前の震災直後の光景。だが、目の前に今広がっている光景は“あの日”とは全く違う。あまりに楽しげな様子に気後れも感じたのだろうか、百音は涙をぬぐい、自分を奮い立たせるように「何のためにここまで来たの」とつぶやいて踏み出した。

突然の百音の登場に驚き、歓迎の表情を浮かべる人々。「今来たのか?どうやって?あ、タクシーで来たのか!」という父・耕治(内野聖陽)に、百音は「橋を、渡ってきた」とうなずいた。