「第109回 ザテレビジョンドラマアカデミー賞」の監督賞を受賞したのは、“一人も死者を出さない”というミッションを課せられた救命救急医たちの奮闘を描く日曜劇場「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」(TBS系)の松木彩監督と平野俊一監督、大内舞子監督、泉正英監督。
「役者陣の熱演を生んだリアリティーのある演出。細部までこだわりが見えた」「とにかくハラハラさせる演出、スピード感のあるオペシーン、視聴後の気持ち良さなど、濃密な1時間を過ごさせてくれる作品だった」「実在しないERカーを制作し、本当にありそうな世界を作り上げていた」「ほっこりできる場面も散りばめられており、緊張と緩和のバランスもちょうど良かった」と絶賛する声が多数寄せられた。
今作で初めてメインの演出を担当したという、松木彩監督は、「この監督賞に関しましては、チームにいただいた賞だと思っています。脚本の黒岩勉さん、俳優部、美術部、技術部、各セクションの皆さんがどうしたら一番良いものをお届けできるかを寝る間を惜しんで考えてくださいました」と、キャスト・スタッフへの感謝を語った。
作品については、「今作はコロナ禍の夏休みに放送されることが分かっていたので、大人だけでなく、子供たちもワクワクできるものを目指したいなと思っていました。ただ、医療従事者の方にエールを届ける作品なのに、エンタメ感が強過ぎるとバランスを崩してしまうのではないかという不安もありました」と振り返る。
その不安を取り去ったのはキャストたちだった。「鈴木亮平さんをはじめとするキャストの皆さまのお芝居には圧倒的に医療従事者としてのリアリティーがあったので、大丈夫だなと思って突き進みました。劇中でも描かれていたことですが、みんなの力を結集するとこれだけの素晴らしいものになるんだなということを改めて感じた作品でもありました」。
そんな本作には続編を期待する声も寄せられたが、松木監督は「本当に素晴らしいチームでしたのでいつかまたご一緒できたらうれしいですが、とにかく大変な撮影でしたので、とりあえず一回休んでいただきたいです(笑)」と語っていた。
(取材・文=及川静)
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