人生の悲哀をこぼれる涙で表現した、佐々木蔵之介の名演技に魅せられた第9話<ミステリと言う勿れ>

2022/03/08 11:32 配信

ドラマ レビュー

「ミステリと言う勿れ」第8、9話にゲスト出演した佐々木蔵之介(C) 田村由美/小学館(C)フジテレビジョン

菅田将暉主演のドラマ「ミステリと言う勿れ」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)の第9話が3月7日に放送された。整(菅田)が参加したミステリー会の真相編。佐々木蔵之介が見せた圧巻の涙の演技が注目された。(以下、ネタバレがあります)

ミステリーナイトの真相編


同ドラマは、累計発行部数1300万部を突破した田村由美による同名コミックが原作。天然パーマがトレードマークの主人公・久能整(よみ:くのうととのう)が、淡々と自身の見解を述べるだけで難事件や人の心の闇を解きほぐしていく、新感覚ミステリーとなる。

前回に続く、整が恩師・天達(鈴木浩介)に招かれて参加したミステリー会。整の恩人であり、天達のパートナーだった喜和(水川あさみ)がストーカーに殺害された事件を解き明かすものだった。そこには悲しい後悔があった。

人生の悲哀を表現した、佐々木蔵之介“橘高”の涙


言葉や鼻を触る仕草などから、整に嘘をついていると見抜かれた橘高(佐々木蔵之介)。橘高はストーカーに喜和の居場所を教えてしまい、不安に思って駆け付けたものの、喜和は亡くなっていた。そして自分のミスを隠すために自分が来た痕跡を隠したのだった。

5年間、悔やみ続けた橘高。その思いはストレスとなり、最近起きているストーカーに被害者の居場所を教えるという行為に至り、それが殺人事件を引き起こしていた。さらに、橘高はミステリー会のメンバーも殺そうと計画。そのために予行演習もしていた。

一瞬の判断ミスによる後悔から、罪に罪を重ねた橘高。学生時代優秀だった橘高は、自分より下に見ていた友人たちが、今は幸せそうでうらやましかった。市役所勤めで仕事は頭打ち状態、独身で認知症が進む親の介護に追われる日々。そんな人生の後半に差しかかかった男性の悲哀も絡んでいた。

本来はケアされるべき立場で、怖がっていた心の内を整に解き明かされた橘高は、涙があふれる。罪を淡々と語ってきたあとの、佐々木の“泣き”の演技は圧巻だった。

タイトルがTwitterのトレンド1位となり、視聴者からは「今回はもう佐々木さんの演技がすごくて拍手しかないです」「佐々木蔵之介劇場を堪能した」「泣くシーン、もらい泣きした」など、佐々木の演技への称賛が相次いだ。