動画配信サイトHulu、連続ドラマで人気を博した「THE LAST COP/ラストコップ」が映画化。30年の昏睡状態から奇跡の復活を遂げた熱血刑事・京極浩介を演じた唐沢寿明にインタビューを敢行。作品の魅力や共演者の裏話を語ってもらった。
――これだけ長い間、京極を演じることになると思っていましたか?
全く思ってなかったですね。最初はHuluだけかなと思っていました。でも、やるって決めたら、最後までやる、みたいな感じで(笑)。その延長で、ずっとこれまでやってきました。
――ついに映画化されたわけですが、感慨深さがあるのでは?
映画では新しいキャストが何人か増えているけれど、基本的には俳優陣もスタッフもほぼ一緒だしね。やっていることも何一つ変わってない。と思うよ。ただアクションはよりパワーアップしたかな。
――京極にはブレがないですけど、シリーズを通してキャラクターが変わってきている人もいますよね。
亮太に関しては、テレビシリーズからものすごくパワフルなキャラクターに変わっちゃったからね。こいつ、本当にオタクだったのかなって(笑)。あと、小日向さんの役(神奈川県警本部の警視監・神野役)もハチャメチャなキャラクターに。最初に登場したときは、もっと謎の男ぽかったんだけどなぁ(笑)。竹内(涼真)が演じている若山もどんどんヘンになってきているし、その自由度がいいなと思います。
――連続ドラマの最終回は生放送でしたが、うまくいったという手応えはありましたか?
いや、全然うまくいってないでしょ(笑)。窪田(正孝)が吹いちゃったりしているし、佐々木希ちゃんなんか「唐沢さん」って呼び間違っているし。もうあの時点でアウトでしょ。俺なんかマジメにやったほうだと思いますよ。でも、その中でも絶対に崩れないのが藤木(直人)くんね。彼は本当にマジメだからいつもキャラクターが揺らがないよ。
――その最終回では、京極が生き返るか、生き返らないかが視聴者投票で決められました。あれは生き返らないパターンも準備してあったのでしょうか?
どちらもリハーサルではやっていました。実際、2割ぐらいは生き返らない方を選んだ人がいたらしく(笑)。まあ、俺的にはどっちになっても面白いと思っていました。だって、「京極が死ぬ」という方が多かったら、それはそれで面白いし、めったに観られないものだから。
――「ラストコップ」だから許されること、というのもありそうですね。
あると思います。例えば、「白い巨塔」の手術シーンで、そこだけ生放送でやるといって、間違って顔を切っちゃったらダメじゃない。それでは笑えないでしょ。この作品だから笑えるのであって、どんなことでも笑い飛ばせてしまうのが、この作品のいいところだと思うんですよね。あと、俺は新しいことが好きだから、失敗してもいいから、自分の中で初めてのことをやりたいという思いが強くて。だから、この作品のテイストは自分に合っているのかなと。
――「ラストコップ」はアクションも見どころですが、唐沢さんはかつて東映アクションクラブに所属されていましたよね。その経験が今に生きていると感じることはありますか?
たまたま昔、そういうことをやっていたというだけだけど、当時は一生懸命にアクションの練習をしていたからね。そのころはまだ時代劇がたくさん作られていたので、殺陣や居合も全部勉強して。なので、それが今に活きてきているというのは確実にあると思います。作品前に、1カ月練習したぐらいじゃ、アクションなんてできないからね。
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