唐沢寿明「ラストコップ」で感じた『窪田とか今の20代俳優は才能がある人が多い』
――そんな唐沢さんから見た窪田さんのアクションセンスはいかがですか?
アクションというのは、殴ったり、蹴ったりもあるけど、高いところから落ちたり、ワイヤーを使ったアクロバット的な動きも入ってくるからね。そういう部分は、
なかなか彼が今まで挑戦した範疇にはないかもしれないね。でも、地に足がついたところでのパンチやキックはうまいよね。手足が長いから、映えるというのもあるし。あと、窪田世代というか、今の20代の俳優は芝居の才能があって、すごいなと思いますね。自分が同じ年くらいのときに、これぐらいのことができたかなと思うと、ちょっと自信がない(笑)。この映画にも出ている竹内(涼真)とかもそうだけど、感覚的に役をつかむというか、柔軟性があるんだよね。この世代にはそういうタイプが多くて、ちょっとうらやましいなと思います。
逆に、これはこの作品に限らずなんですが、俺ぐらいの年になってくると、若い俳優から何かを引き出すのが自分たちの役目なんですよね。そうやって彼らがどんどん膨らんでくれば、作品のためにもなるし、俺も楽ができるから(笑)。なので、緊張させちゃいけないし、委縮させちゃいけない。まずやりやすい環境を作ってあげることが俺の役目なのかなと。その上で、彼らが何を出してくるのはわからないけど、それは俺が言うことじゃないし、それこそがそれぞれの個性なんだと思います。
――今回の映画では、人工知能が搭載したロボットが横浜中央警察署に試験導入され、それをきっかけに大事件が起きていきます。唐沢さん自身は、人工知能といった最新のハイテク技術についてどう思われますか?
今はロボットが弁護士になれる時代だからね。人間が弁護士になるのは大変だけど、ロボットなら小さいチップに過去の判例を山ほど入れることができて、それをもとに有罪か無罪か決めることができるんだから、なんだか悲しくなりますよね。俺は新しいものが出てきたら使ってみたいと思うタイプだけど、あまりにもハイテクが進みすぎたら人間がいらなくなってしまう。人間の未来を考えたら、ちょっと怖いことだよね。
――そういった懸念を含めて、劇中の京極のセリフに「人生は失敗して学んでいく」というのがありましたが、唐沢さんが身をもって感じたことはありますか?
失敗した方がいいに決まってるじゃない。なぜスポーツ選手があんなに清々しいかといえば、自分の限界を知っているから。負けたときに悔しくてしょうがないけど、負けたことを認めなきゃいけない、あの苦渋の顔というの。ああいうのって、俺たちの業界だと無いんですよね。なぜなら負けていても負けていない顔でいるから。俺たち俳優って、ずるい職業なんだよね(笑)。
――どんな映画になっているのがすごく楽しみです。
これまでのシリーズを踏襲しつつも、アクションシーンは豪華になっているし、ふと泣けてくるシーンもあります。テレビシリーズで全然違うキャラになったやつも何人かいるけど(笑)、どのキャラクターもみんな個性的で面白い。そういった変化も含めて、面白い作品になっていると思います。
取材・文=馬場英美/スタイリスト=勝見宜人(Koa Hole)/ヘア&メーク=池田慎二(mod's hair)
映画「ラストコップ THE MOVIE」
5月3日(水)公開
配給=松竹
監督=猪股隆一/出演=唐沢寿明、窪田正孝、佐々木希、藤木直人、小日向文世、和久井映見ほか
「映画公式サイト」
(C)2017映画「ラストコップ」製作委員会
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