木村さんは本当に表情や仕草がカッコいいです。そして一挙手一投足マネをしたくなる何かがあって…。僕が印象的だったのは、青春群像劇の「若者のすべて」(1994年、フジテレビ系)。少しやさぐれている役なのでタバコを吸うシーンがあり、それが男くさくていい。顔を手で覆うような形で火をつけて吸うだけなんですが、それは木村さんでしか見たことがない仕草で、どこかセクシー。あえて顔を隠すのに惹きつけられる…。
マネをしたくなるといえば、ファッションもその一つ。浜田(雅功)さんとタッグを組んだ「人生は上々だ」(1995年、TBS系)ではギャンブルに溺れる大上一馬という役で、こちらもやさぐれ系。そんな彼が着ているスカジャンで似合っていました。今見ても憧れるんですからすごい。木村さんのドラマはファッションを見ても楽しいです。結構、クセのある小物を使用するのですが、それを当たり前のように着こなしていて。その姿を見て“実際に買ってはみたものの失敗した”なんて人も多かったんじゃないかな。でもマネしたくなる。それがスターなんだと思います。
言わずもがなカッコいいのは、前回お話した“金10”でも触れましたが「協奏曲」(1996年、TBS系)。木村さんらしさがふんだんに詰まっています。恋人が田村正和さん演じる師匠とキスしているところを見て2人にキレるときの間合いや表情なんて、テレビの前で「キター!」って叫びそうになったくらい。スプーンを投げるのですが、その投げ方も木村さんらしく独特で。いかにも細部までこだわっている木村さんらしく、行動でそのキャラを表現してくれるんです。
ちなみに「協奏曲」の貴倉翔は、夢を追い掛けているけど伸び悩んでいて自分はどうしたらいいのか葛藤している青年。状況としては“ロンバケ”の瀬名に近いのですが、全く違う人物として映ります。そこが木村さんのすごいところ。どことなく似ているように見えるけど、作品を見ていったら全然違うと気付く。さすがだと思います。ちなみにこの作品はオープニングもオシャレです。というよりも、ここは翔というより木村拓哉全開で(笑)。MVのようになっているのですが、シャワー室から顔を出して黒電話を取ったりする姿はちょっと“木村拓哉”を隠しきれていなかった(笑)。かなり見応えがあると思います。
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