「カルテット」で主演女優賞受賞の松たか子『から揚げはカリカリな食感が大事!』

2017/05/11 06:00 配信

ドラマ

冬の軽井沢を舞台に、“秘密”を持つ音楽家4人の日々を描いた「カルテット」(TBS系)が、「第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で作品賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、監督賞、ドラマソング賞の6冠を獲得。

ドラマ「カルテット」で主演女優賞に選出された松たか子撮影=大石隼土


主演女優賞に輝いた松たか子は、「すごい! 本当にありがとうございます」と満面の笑みを浮かべた。そんな松が演じていたのは、ネガティブ思考のバイオリニスト・巻(早乙女)真紀。「先の読めない展開」で、視聴者と同様、坂元裕二脚本に“振り回された”松たか子にドラマを振り返ってもらった。

――主演女優賞おめでとうございます。謎が多い巻真紀を演じるにあたり、意識していたことをお聞かせください。

ありがとうございます。最初は楽器をやりながらお芝居をするのは大変だと思っていました。でも、撮影が始まると、向き合う登場人物がわりと少ないドラマだったのと、設定や展開がどんどん変わっていくので、それを楽しめるようになっていたんですよね。後半になると、みんな何が起きても腹をくくるまでのスピードが速くなっていたので、それは私も受け止めるしかなくて(笑)。だから、お芝居をする上で、気を付けていたことは、本当に申し訳ないぐらい、なかったんです(笑)。それは、監督だったり、カルテットのメンバーだったりがさりげなく気付かせてくれるものでした。

――満島ひかりさん、高橋一生さん、松田龍平さんとの会話劇も大きな反響がありました。3人とのやりとりはいかがでしたでしょうか。

みんながそれぞれ個性的で、いいメンバー、いいバランスだったおかげで、私もやり続けられた気がします。みんながお互いにないものを補い合うような、それを言葉で説明するのではなく、ふっと差し出すような、そんな感覚だったんです。宮藤さんとの夫婦の話のときは、4人の会話が極端に少ない回だったので、久しぶりに4人そろうと、安心感がありました。それも彼らの魅力なんだと思います。特に、後半は女性同士のやりとりを男性が聞くという場面も多かったので、ひかりちゃんも同じだと思いますけど、龍平くん、一生くんにすごく癒やされ、助けられたところがあったと思います。

坂元裕二さんは「すごいことを言わせる方」


ほかの3人との共演は「みんながそれぞれ個性的で、いいメンバー、いいバランスだったおかげで、私もやり続けられた気がします」撮影=大石隼土


――坂元裕二さんの脚本に初挑戦となりましたが、印象的なせりふやシーンを教えてください

個人的にすごいことを言わせる方だなと思ったのは、浅野(和之)さんが言っていた「志のある三流は四流だ」というせりふです。こういう厳しいせりふを言う人が出てくるドラマだということを、はたと気付かされたのはこの場面で。でも、この一言があるから、私たちは安心してコスプレも出来たのかなと。どちらかに全部体重を乗せるのではなく、その言葉があるからこそ、逆のシチュエーションを思い切ってやりきろうと臨んでいました。

坂元さんの脚本はすごく言葉が面白いって、いろんな人に言われていましたけど、周りの評判だけでは実感できなかったことを10話かけて学ばせていただいた感じです。…というと坂元さんは嫌がるかもしれませんが(笑)

――演奏シーンや、4人で歌われた主題歌「おとなの掟」も素晴らしかったです。「おとなの掟」の作詞・作曲・編曲を手掛けた椎名林檎さんも、もちろんストーリー展開は知らなかったと聞いています。

私自身、もっとできればよかったと思い返すことはたくさんあるんですけど、言い訳をすれば、その反省を上回るようなエピソードをたくさんいただけたので、それはすごく幸せ者だったと思います。林檎さんも内容をあまり知らない状態で書いたのに、結果的にストーリーとピッタリ合うというのもすごいですよね。そういう巡り合わせもあったのかと思います。

――最後に、テレビジョンといえばレモン!ということで…。松さんは、から揚げにレモンはかけますか?

私はあまり意識しなくて…(笑)、レモンよりも、カリカリな食感の方を大事にしているんですが、もしあるなら「ありがとう」と感謝を込めてかけます(笑)。

その他の受賞結果・各部門の順位詳細などに関しては、5月10日発売の週刊ザテレビジョン20号にて掲載。また、松たか子、草なぎ剛ら受賞者のロングインタビューはWEBサイト「ザテレビジョン」の特設サイトで紹介しています。

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