「カルテット」で主役を翻弄した吉岡里帆 “目が笑っていない”笑顔は鏡で自主練!

2017/05/13 06:00 配信

ドラマ

カルテットを結成した男女4人の思いが複雑に絡み合う大人のラブストーリー「カルテット」(TBS系)。松たか子カルテットの4人が演奏する店「ノクターン」に勤める来杉有朱を演じた吉岡里帆が助演女優賞に輝いた。吉岡演じる有朱は、目の奥は笑っていないというミステリアスな雰囲気でカルテットの4人を翻弄。今回の役でこれまでのイメージを一新した吉岡に受賞の感想を聞いた。

第92回ドラマアカデミー賞にて、助演女優賞に輝いた吉岡里帆撮影=西村康


――最優秀助演女優賞おめでとうございます。受賞のお気持ちをお聞かせください。

本当に光栄です。主役の方が輝くため、自分が作品の中にどう溶け込むことができるかを常に考えていますが、今回、こんなふうに光を当ててもらえたことに驚きと、感慨深いものがあります。頑張ってきて良かったと思いますし、嫌われるような役にも関わらず、皆さんが投票してくださったこと、作品を楽しかったと思ってくださったこと、本当に感無量です。ありがとうございます。

――有朱の「かわいい顔の裏に潜む狂気」には、誰しもがヒヤヒヤしていたと思います。

有朱は家が貧乏なのがコンプレックスで、何とかしてお金を稼がなきゃいけないという焦りがある子。でも、本当はもっと素直でいい子に憧れているんです。カルテットの4人に対しての態度も、4人のあり方とか、仲間というものに憧れがあるからなんですよね。自分が誰かよりも劣っていても、みんなで仲良くいられたら、それだけで幸せなはずなのに、アリスは第1話から最終話までずっと孤立していたんです。ただ悪い子ではなくて、きちんと理由がある。そんな焦燥感を含ませられたらいいなとは思ってました。

――“目が笑っていない”演技が、最も話題になったかと思います。演じる上で、難しかったことや意識していたことはありますか?

恥ずかしいですが、鏡を見て練習しました。これかな?これかな?って、試行錯誤して(笑)。それで気付いたのが、目が笑っていないときは、そこに心あらずということなんです。有朱はすごく冷めきっていて、目の前で起こっていることに興味が持てない子だと捉えて演じていました。でも、その笑顔のお芝居をずっとしていたので、番宣の番組に出たときに、自分が完全に目が笑っていないことがあったんです。そのときは、どうすれば前みたいに普通に笑えるのかな?ってすごく困りましたね(笑)。

最終話の「人生ちょろかった」というせりふが印象的だったと語る撮影=西村康


――坂元裕二さんの脚本作に初挑戦となりましたが、脚本を読んだ印象はいかがでしたでしょうか?

自然とキャラクターの思いがこぼれ落ちるようなせりふばかりで。そこが一番感動しました。実は、ずっと坂元さんのファンで、作品を見てきたんです。特に、「Woman」('13年日本テレビ系)は大好きで…、あんなに切なくさせられることってないです。あとは「最高の離婚」('13年フジ系)の、ちょっとコメディータッチでテンポのいい雰囲気も。どの作品も言葉が秀逸で、巧みですよね。今回、私の一言のせりふも、捉え方がSNS上で拡散していくのは驚きましたし、すごくうれしかったです。

――特に印象的なせりふはありますか?

いろいろあるんですが…、やっぱり「人生ちょろかった」ですかね。最終話、有朱はもう出てこないかなと思っていたんですけど、突然出てきて「人生ちょろかった」って言って帰る。あれが最大の有朱の強がりだし、有朱は強がっていることでしか自分を保てないんだろうなと思います。あと、だいたい悪役って最後は成敗されるんですけど、有朱は最後までたくましく走ってってくれそうで安心しました(笑)。

※その他の受賞結果・各部門の順位詳細などに関しては、5月10日発売の週刊ザテレビジョン20号にて掲載中。

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