「鎌倉殿の13人」の裏側に密着「100カメ」スタッフが語る密着秘話とドラマの魅力<インタビュー>

2022/06/12 21:00 配信

ドラマ インタビュー

「100カメ」場面写真(C)NHK

大木氏「窓口的な役割で情報伝達をしていました」


――大木さんは今回の撮影の中で、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

大木:ロケの前は、事前に取材をしてカメラの設置場所を決めたり、アプローチする方々を決めたりする役割です。今回は、カメラが映り込まないようにカメラを実際に置くカメラマンの皆さんとドラマ部の間に立ち、窓口的な役割で情報伝達をしていました。

――大木さん自身が今回の撮影で新たに発見したことはありますか?

私自身、今回の撮影でドラマがどのように撮られているのかを初めて知りました。一文字とか一行であっても脚本に書いてあるものを実現するために、どれだけの労力がかかっているのかを知ることができました。場所や時間、俳優さんの動きなど本当に緻密に練って作られているのだなと感じました。その中でも、演出の方が考えた世界観を実現していくことが本当に大変だなと印象に残っています。

桜井氏「プロフェッショナルだなと感じました」


――改めて感じた「100カメ」の面白さを教えてください。

大木:今回の撮影の中で、助監督と演出の方が会話をしながら帰っていく姿が映っているのですが、固定ではなく普通にカメラを回して追いながら撮影をしていたら撮れなかった場面だと思います。カメラをあまり意識しない状態で出てくる言葉には印象深いものがあると思いますし、大変さや感謝の思いなどが漏れる瞬間というのを捉えられるのが「100カメ」の面白い部分かなと思います。

桜井:演出の吉田照幸さんがメロンパン好きだということなど、普通のドキュメンタリーとは違って、映り込んだものから再構成するというのが「100カメ」の面白さだと感じています。そこで、周りも気づかなかった人柄や、その人のキャラクターが浮き彫りになったりする部分が魅力だと思います。

――撮影現場に入ってみて、改めて感じた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の魅力を教えてください。

大木:三谷幸喜さんの脚本の中に書かれている人間模様をどう描くかということを意識して作られていて、人の悩みや葛藤をどう表現するかをすごく考えて作っているのだなと感じました。ただ歴史を追うのではなく、そういう人間らしさが見られるというのが魅力かなと思いました。大河ドラマチームの皆さんは、大変な現場でもジョークや、面白い会話を挟んでいて、緊張感は持ちつつも、あまりピリピリしないように、それぞれが良い意味で気を使いながら作業しているのが印象的です。そのチームワークの良さが、現場作りで活かされているなと感じました。

桜井:今回、雨から雪に変わるという悪天候の中、キャストの皆さんは、当然薄着で足元は草履のようなもので、とても寒かったと思いますが、主演の小栗旬さんをはじめ、皆さん寒さなどおくびにも出さずに現場で佇んでいらして、プロフェッショナルだなと感じました。