一方、俳優としてはオーディションに落ちる日々だったが、先輩俳優のツテで戦争映画に出演することに。自分が初めて映画に映ったことに感じ入るが、ワンカットもまともに映らずに落ち込む先輩俳優の姿に俳優の厳しさも知った。そのうえで、「役者をやりたい」と改めて思うのだった。
それらの経験は俳優としての糧に。
事務所でのワークショップで、ロンドン帰りの講師・平山(北村有起哉)に演技指導される場面では、最初は、「ウケるかなと思て」という演技をして、平山に「だいたいお前滑舌悪いくせに余計な芝居し過ぎなんだよ」と言われていた諭。
しかし、失恋を経験したあとの泣きの演技に「いいじゃねぇか。うそがねぇよ、その涙。その切実さなんだよ、芝居ってのは」と平山にほめられた。
今回の恋は成就しなかったが、芝居へと昇華させることができ、“拾われ”る縁は着実に次へとつながっている。次の縁がどのように展開していくのか、その面白さに期待が高まる。
※草なぎ剛のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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