――義時演じる小栗旬さんから刺激を受けたことなどはありますか?
小栗さんの存在は本当に僕の中で大きかったです。うまく演じることが出来なかったなと思って、自信を無くしている時もあったのですが、小栗さんがご飯に連れて行ってくださって「大地、好きなように演じていいよ」「納得いかないシーンがあって言いづらかったら、俺が『今のカットもう一回やりませんか?』って言うから」などと言ってくださって、本当に優しくてとてもうれしかったです。そこから吹っ切れて、もっとぶつかって演じていこうと思えるようになりました。撮影中も僕が演じやすいように一緒に考えてくれていたので、小栗さんの存在がなければ頼家を演じられなかったなと思います。
――頼家の最期のシーンの台本を読まれた感想を教えてください。
何も思い残すことはないくらい三谷さんが描いてくださったので、悔いなく終われたなと思います。毎回、台本をいただく度に、どれだけ頼家に辛いことが待ち受けているのかなと思っていたので解放感もありました(笑)。
――第32回で政子に対して「お前」というシーンがありますが、いかがでしたか?
実は政子とのシーンは意外と少なくて、あのシーンは政子と頼家がちゃんとぶつかった大事なシーンでもありました。怒りや絶望よりも、もっと重たい悲しみのようなものを感じるシーンだったので、しんどかったです。
――小池栄子さんとの共演はいかがでしたか?
頼家と政子は少し距離があったのかなと感じていて、頼家は母親である政子にもっと弱みを見せたかったのではないかと思います。ただ、政子は北条家の人でもあるので複雑で、そういった関係性も含めて小池さんとのシーンは緊張しました。第32回の頼家が感情を爆発させるシーンは、現場でも少し距離を置いて撮影に挑みました。小池さん自身も辛いシーンだったと思います。でも母としての小池さんの愛が伝わってきました。本当の母のように思っています。
――大河ドラマ初出演で頼家という重要な役を経験して、自身が成長したと感じる部分はありますか?
頼家を演じながらも常に自信はなかったので、本番も「これでいいのかな」と思いながら演じていました。自分の技術的な部分ではなく、小栗さんを初めとする出演者の方や、スタッフさん、監督の方々のおかげで演じることができたと思います。本当にみんなの力で作品がより良くなっていくということを肌で感じましたし、作品を作る上での一体感や小栗さんの座長としての存在感の大きさも感じることができました。ものづくりをする皆さんの熱量を感じられる作品に参加できたことが一番の幸せかなと思います。これからもどんな作品でも熱量を持っていきたいなと思います。