長澤まさみが4年半ぶりに主演を務める連続ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)。10月31日放送された第2話で、死刑囚・松本の無実の可能性が見えてきた。
本作は、スキャンダルのせいで落ち目のアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)と彼女に共鳴した仲間たちが、10代女性の連続殺人事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く社会派エンターテインメント。作品中で扱われている事件は、実在の複数の事件から着想を得ている。
また、タイトルの「エルピス」とは、古代ギリシャ神話で、様々な災厄が飛び出したと伝えられる「“パンドラの箱”に残されたもの」で、「希望」とも「厄災」とも訳される言葉。真相に迫っていく過程で恵那たちは様々な「希望」を見出すが、自身やその周囲に「災い」も降りかかる。“えん罪の再調査”というパンドラの箱を開けてしまった彼らが行き着く先は希望か災いか…という意味が込められている。(以下、ネタバレを含みます)
“八頭尾山連続殺人事件”の容疑者で死刑囚となっている松本(片岡正二郎)のえん罪疑惑の究明を、拓朗(眞栄田郷敦)は国家権力を敵に回す勇気など無い、と手を引いてしまったが、恵那は1人でも続けることに決めた。そして、拓朗にこの話を持ちかけた、松本と当時一緒に暮らしていたさくら(三浦透子)に詳しい話を聞くことにした。
「本当に松本が犯人じゃないと思うのか?」と確認する恵那に、さくらは松本が殺人を犯したとされている日のことを話し始めた。その日はさくらの誕生日だった。松本はカレーを作って彼女を待っていて、ケーキも用意してくれていた。これが、親に虐待を受けていたさくらが生まれて初めて祝ってもらった誕生日だった。「14歳の小娘に50歳の男の正体なんてわかるもんじゃないのかもしれない…。それでも、私の誕生日を祝ってくれたその同じ日に、他の女の子を殺してたなんてありえないと思うんですよ」―嗚咽しながらさくらは恵那に訴えた。
恵那は、さくらがこれまでずっと書き溜めてきた裁判記録を読み進めるうち、犯行当日の松本の行動やいくつもの点が弁護側と検察側で大きく違っていることを知る。さくらの紹介で担当弁護士の木村(六角精児)に会い、松本の印象を尋ねると「変質的な性的異常者でもなく、残虐性など微塵も感じられない、気が抜けるほどマトモでちょっと気の小さい中年男」と言い、迷うことなく無実だと思っている、と告げた。松本が赤の他人のさくらと暮らしていたことでマスコミが「ロリコン」と騒ぎ立て、それに警察が煽られて、松本に自白を強要したのだ、というのが木村の考えだった。
恵那が孤軍奮闘していたこの数日、ずっと「異様に強い眼力」で彼女をひたすら凝視していた拓朗が、彼女に会いに来た。国家権力に立ち向かう覚悟は無いが、「お手伝いぐらいならできるかな…」という中途半端さに呆れるが、居ないよりはマシなので、恵那は拓朗を使うことにする。そして、検察が主張する犯行当日の松本の行動をさせてみたのだが、無理があることが判明した。
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