平野紫耀が宿敵との壮絶な戦いと複雑な心情を体現する演技のすごみ<クロサギ>

2022/11/19 15:35 配信

ドラマ レビュー

平野紫耀“黒崎”が家族の仇である坂東彌十郎“御木本”と対峙(C)TBS

King & Prince平野紫耀が主演を務めるドラマ「クロサギ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系) の第5話が11月18日に放送された。前半のクライマックスとなる、黒崎(平野)と宿敵の戦い。タイトルがTwitterのトレンド入りし、「あっという間の1時間」と視聴者を引き込む展開となったが、そのなかで“クロサギ”となった主人公が感情を爆発させるシーンは、すごみを感じさせる平野の名演技だった。(以下、ネタバレがあります)

黒崎が宿敵・御木本に立ち向かう

同ドラマの原作は、2013年に全42巻で完結した黒丸夏原武による漫画「クロサギ」シリーズ。2022年の現代を舞台に、詐欺によって家族を失った主人公・黒崎高志郎(平野)が、人をだまして金銭を奪うシロサギと色恋をえさにするアカサギと呼ばれる2種類の詐欺師をだます詐欺師=クロサギとなって、本当の“敵”を探し出し闘っていく物語が繰り広げられる。

検事志望の大学3年生・吉川氷柱を黒島結菜、甘味処の店主ながら裏の顔は詐欺師業界のフィクサーである桂木敏夫を三浦友和が演じる。

第5話は、黒崎が父をだました宿敵・御木本(坂東彌十郎)を追って上海へ。桂木の名前を使って詐欺を働いていた御木本と、マフィアの二大勢力がしのぎを削り合っている上海の詐欺業界を舞台に“だまし合い”を繰り広げた。

マフィアも相手にしなければならない緊迫感。黒崎は「せめて命くらい賭けないとね」との覚悟を持って挑み、桂木の腹心・早瀬(中村ゆり)も交えて御木本を追い詰めていった。

黒崎と警部補・神志名が対峙「これがあいつを止める最後のチャンス」

黒崎を動かす一方で、桂木は自らも仕掛けをしており、御木本の部下・垣根(金井勇太)が殺害されてしまう。上海でマネーロンダリングしている桂木は、敵対するマフィア組織、キング・タイガーとの関係を修復しようとする思惑があった。「命を詐欺の道具だとでも思ってんのか。金のためならなんでもするのかよ」と怒る黒崎に、桂木は「御木本なら死んでもいいのか」と突き付けた。

詐欺で家族の命を失った黒崎にとって、命をも駆け引きする仕掛けを前にした苦悩は計り知れない。そんな黒崎が感情を大きく爆発させたのは2カ所。まず、黒崎を追ってきた警視庁の警部補・神志名(井之脇海)との対峙シーンだ。

詐欺事件に執念を燃やす神志名は、「自分の詐欺のせいで人が死ぬのはどんな気分だよ!」と迫った。黒崎は、「ここを逃せばまた御木本はどっか遠くに逃げていく。そこであいつはまた詐欺をする。誰かがだまされて、金や命をとられるんだよ。大切な何かを失うんだよ。これがあいつを止める最後のチャンスなんだよ!」と叫んだ。刑務所に入れたとしても詐欺罪はたった10年なのだ。

「お前だって本当は分かってんだろ、警察には何もできないって」とにらみつける黒崎に、クロサギとなった覚悟が垣間見えた。