<クロサギ>平野紫耀演じる“黒崎”は「圧倒的主人公」、武田P&那須田Pがキャスト陣の魅力や撮影の裏側を明かす

2022/12/20 15:15 配信

ドラマ インタビュー

「クロサギ」プロデューサーのロングインタビューが到着! ※提供写真

King & Prince平野紫耀が主演を務める金曜ドラマ「クロサギ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の最終回となる第10話が、12月23日(金)に放送される。同作は、詐欺によって家族を失った主人公・黒崎高志郎(平野)が「詐欺師をだます詐欺師=クロサギ」となって、本当の「敵」を探し出し打倒していく物語。このたび、本作品のプロデューサーを務める武田梓氏、那須田淳氏のインタビューコメントが到着。ドラマを制作する中でこだわった部分や、印象的なシーン、キャスト陣の魅力などについてたっぷりと語った。

2022年の現代を舞台に“クロサギ”が暗躍


原作は黒丸夏原武による漫画「クロサギ」シリーズ。今作は、2013年に全42巻で完結した漫画シリーズを原作に、いわば“「クロサギ」完全版”として新たにドラマ化。「詐欺」が身近な脅威となっている2022年の現代を舞台に、今の日本でリアルに発生している詐欺にクロサギが立ち向かっていく。

同ドラマには、検事になることを目標に勉強している大学生・吉川氷柱を演じる黒島結菜や、甘味処「かつら」の店主で、裏の顔は詐欺業界のフィクサー・桂木敏夫を演じる三浦友和も出演。

また、警察庁のキャリア組・神志名将を井之脇海が演じる他、中村ゆり山本耕史坂東彌十郎船越英一郎ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。

後半戦で意識したのは「決着までを描く」ということ


――物語の前半戦と6話以降の後半戦、制作する上で意識したことはどんなことでしょうか。

武田梓プロデューサー(以下、武田P):前作のドラマシリーズでは、まだ原作が完結していなかったこともあり、黒崎が御木本を倒すか倒さないかという展開の中で、結局決着がつかないところで終わっているんです。今作は原作が完結した上でのドラマ化だったので、その決着までを描くというのを最初から強く打ち出してきました。

完全版と銘打ってやるからには、ラスボスである宝条(佐々木蔵之介)を倒すまでを描くことが結果的に黒崎と氷柱(黒島)、そして桂木(三浦)との関係など、それぞれのキャラクターの決着みたいなものを宝条含め描いて、“クロサギ完全版”と言えるのかなと思っています。

視聴者の皆さんがラスボスだと思っていた御木本を黒崎が倒した後の後半戦で、さらなる敵が出くるとなったら、御木本の衝撃に匹敵するインパクトがないといけない。なので、宝条は登場したときにインパクトがあるような存在にしたいと意識していました。

宝条は、詐欺師の世界に存在する側面だけではなく、実は自分たちの身近に、社会の中に潜んでいるかもしれない存在であり、巨悪です。視聴者の皆さんが、ちゃんと心から「こいつ悪いやつだな」と思える存在にしたいと思いました。

その方がより宝条にだまされた数々の被害者に共感してもらえるようになりますし、実際にこういう形で泣かされている人は多々いるかもしれないと思うので、“やっつけて欲しい”と視聴者の皆さんが黒崎を応援したくなる敵にするということが後半のテーマでした。

那須田淳プロデューサー(以下、那須田P):“遠い”とか“近い”というのを違う角度から見ると、御木本の詐欺は、人の欲望を利用して、人のお金を巻き上げる詐欺師としてのダイレクトな動機なんですよね。次に現れた宝条は、お金に固執しているというよりは、お金を得ることで自分の社会に対する野望をかなえようとしている。

詐欺はひとつの手段であるけれど、詐欺に頼ることで力を持ち、自分が世の中を変えてやろうという動機なので、そこが違うんです。

黒崎は、御木本のような詐欺師がいる限り自分の家族のように不幸になってしまう人がいるから、クロサギとして詐欺師を喰い尽くそうと思っている。しかし御木本を喰った後、もっと社会の中に根付いている悪いやつがいるということに気付き、戦い方のステージが変わっていくことに、自分の中で葛藤があります。

黒崎が葛藤のせめぎ合いみたいなものを背負いながら、新たな敵・宝条をどうやっつけるのか、これらをどうエンターテインメントにしていくのかっていうのは難しいところではありました。ですが、その複雑な背景を背負っている構図を上手く楽しめるようにするのが後半戦の課題でもありましたし、そこでまた新しい形のエンタメができるのではないかと思い制作しました。