<ドラマアカデミー賞>最優秀作品賞は「鎌倉殿の13人」『小栗さんは執権そのもののオーラを放ち、現場をけん引してくれた』(制作統括・清水拓哉氏)

2023/02/22 19:00 配信

ドラマ

「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)が第114回ドラマアカデミー賞で最優秀作品賞を受賞(C)NHK

衝撃の最終回…小栗旬は断食をして撮影に臨む

第114回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞では、小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)が最優秀作品賞を受賞。3度目の大河執筆となった三谷幸喜氏が、武士の世を盤石にした鎌倉幕府第2代執権・北条義時(小栗)を描き、「喜劇と悲劇、史実とフィクションのブレンドが天才的」「武士の時代の残酷さを描き切った」と絶賛された。(以下、ネタバレを含みます)

受賞インタビューでは制作統括の清水拓哉氏と尾崎裕和氏が、「大河ドラマ『真田丸』(2016年NHK総合ほか)のときは受賞ならず、念願の作品賞です」(清水氏)、「本当に幅広い層に見ていただき、放送中から愛されているという実感がありました。普段はドラマを見ない人からも『見ていて楽しかったよ。1年間ありがとう』という言葉をもらいましたね」(尾崎氏)と喜びのコメント。

義時を演じた小栗は、主演男優賞部門で2位と惜しくも受賞はならなかったが、「死にざまも圧巻だった」「前半と後半で完全に別人だった」と多くの票を集めた。清水氏は、「執権そのもののオーラを放ち、現場をけん引してくれましたね。衝撃の最終回では義時が毒を盛られ弱っていく様子を演じるために断食までしたそうで、義時の人生やシビアな歴史を表現し切ったところが、さすがでした」と、鬼気迫る演技を振り返った。

次回大河から松本潤演じる徳川家康も登場

第1回のドラマアカデミー賞でも脚本賞を獲得している三谷氏は、今回が8度目の受賞。清水氏は「ドラマは三谷幸喜さんが歴史の定説と独自の考察を両方うまく入れ込みつつ、魅力的な中世の物語を描いてくれました」、尾崎氏は「三谷さんは今回、女性スタッフの意見も柔軟に取り入れ、男性に翻弄(ほんろう)されるだけではない主体性のある女性を描いてくれました」と、それぞれに三谷脚本の魅力を語った。

度々Twitter世界トレンド1位になるなど話題を呼び、2022年のドラマシーンを大いに盛り上げた本作。清水氏は、「最後は、次の大河ドラマ『どうする家康』から主演の松本潤さんが登場するという想定外のこともやりましたが、みんなでクオリティーの高いものを追求できた最高のチームでした」と胸を張った。
(取材・文=小田慶子)