加藤諒が再び舞台で“異形の者”に! SPインタビュー公開

2017/07/10 14:00 配信

芸能一般 インタビュー

この秋、PARCO & CUBE 20th present舞台「人間風車」で一風変わった役に挑戦する、加藤諒。10歳の時「あっぱれさんま大先生」(1988~2004年、フジ系)で子役としてブレークして17年。その個性的なルックスも相まって、近年は「ゆとりですがなにか」(2016年、日本テレビ系)や「真田丸」(2016年 NHK総合)、「怪獣倶楽部~空想特撮青春記~」(2017年、TBSほか)などドラマばかりでなく、バラエティー番組でも引っ張りだこの人気者だ。

舞台「人間風車」に出演する加藤諒撮影=草刈雅之


舞台「人間風車」は後藤ひろひとが1997年劇団「遊気舎」に書き下ろした作品。2000年にパルコ劇場版として、生瀬勝久、斉藤由貴阿部サダヲら、さらに2003年には入江雅人、永作博美、河原雅彦など、そうそうたるキャストが演じ、伝説となった作品。今回は2003年版に出演した河原雅彦が、演出を担当することでも話題となっている。そんな本作で加藤が演じるのは、阿部や河原が演じた“サム”。阿部は憧れの存在だと語る加藤に、本作への思いを聞いた。

規制がゆるい舞台ならではのグロい表現を!


――舞台「人間風車」は、“童話ホラー”と銘打たれた、不思議な世界観の作品ですね。

はい。物語は、成河(そんは)さん演じる平川という童話作家が、自作の社会風刺を織り交ぜた風変わりな童話を公園で子供達に聞かせるところから始まります。それがある時、売れない女優のアキラ(ミムラ)と出会い恋をしたことで作風が変わり、傑作を生み出します。でも身近な人の裏切りにあい、恋も上手く行かず平川は絶望のどん底に。そこからどんどん話が怖い方に展開していくんです。平川の奇想天外な物語の世界で面白く笑っていられたのが、いつの間にか恐怖の世界に落とされていく、ジェットコースターのような舞台になっています。

――加藤さんが演じる“サム”はどんな人物?

サムは子どもたちに混じって、童話を聞きに来る青年なんです。ただ、物語を聞くとその登場人物になりきってしまう性質というか…奇妙な青年で。憧れている阿部サダヲさんが演じていた役でもあり、演じるのもなかなか難しい役なので始めに聞いたときはプレッシャーもありました。でも、パルコ劇場版の映像を見てからは、プレッシャーがちょっとワクワクに変わってきていて。もう、やるしかない!と。自分がやる意味や、自分にしかできないサムを演じられるといいな、と。

――上演当時としても残忍な描写が話題になりましたが、今回も?

そうですね。僕が映像で見たのは2000年版でしたが、それも1997年の遊気舎初演時よりはマイルドにしているらしいんです。今回は演出の河原雅彦さんが、その遊気舎オリジナルに寄せた演出にしたいとはおっしゃっていたので、より過激にはなっているかもしれないですね。もちろん、僕もそれに絡んでいきます…というか、残忍な部分を担う事になります!(笑)

――どこまで過激になるのか楽しみであり、怖くもありますね。

たぶん近年は表現の規制があって、強烈さが抑えられちゃっている作品も多いと思うんですが、舞台って、それに関してはまだゆるい方なんだと思うんですよ。だからこそ、今「舞台でしか見られない表現」をお見せできたらいいなって僕たちは思っていて。そこを楽しみにしてほしいです。

――ちなみに、2000年版を見ての感想はいかがでした?

斉藤由貴さんが演じられていたアキラと阿部さんが演じていたサム、今作ではミムラさんと僕が演じるんですが、ふたり姉弟でその姉弟関係の悩みというのがすごく生々しいんです。全体にはファンタジーでありながら、そういう生々しい表現がちりばめられていて、そこが僕はゾワゾワして、すごく心を締め付けられる思いでした。今回もただ怖いだけでなく、笑えて、ぐっと泣けるところもあると思います。平川の童話自体、すごく感動できる作品なので、そこもぜひ、楽しみにしてほしいです。

――2017年版の新しい「人間風車」になりそうです。

そうですね。社会風刺の要素もあるので、その時々の時事問題が反映されるという面は今回もあります。ラストも初演とは変わると聞いているので、初演を見た方にとっても、また違った作品として楽しめるのではと思います。