昨年の「パタリロ!」で一皮むけた?
――昨年は舞台「パタリロ!」で主演初座長を務められましたね。その経験を経て、舞台への思いはどう変わりました?
舞台はやっぱり楽しいし、すごく好きです。テレビの場合、バラエティだと台本があってないようなものっていう感じが、エチュード、即興劇に近いものがあるんですが、ドラマですと瞬発力がすごい大事で。台本を覚えて現場に入って、リハーサル、カメリハと何回かやったらもう本番で、その本番で出しきらないといけない。しかもアングル違いで同じものを何回も撮るってことがありますよね。舞台は、みんな一丸となって稽古して、本番は何回もやることはやるんですけれど、せーのでぶっ通しでやる。しかもお客様が目の前にいて、反応がすぐ返ってくる。どのお仕事にもそれぞれ楽しさがあるんですが、舞台は、その中でも特別感があります。
――よく役者さんは、舞台では裸の自分をさらす感覚だと聞きますが?
そうですね(笑)。特にパタリロの時は「私を見て!」って感覚が強まりましたね。千秋楽がバンコラン役のツネくん(青木玄徳)の誕生日で、彼が「本日の主役/永遠の27歳」ってタスキを自分で作ってきて、舞台上でめっちゃ大暴れしていたんですよ。そこで僕は「待ってよ。本日の主役はいいけど、僕の初座長公演の、しかも千秋楽。すっごい特別なのに!」って思って(笑)。そこで本来はマライヒ(佐奈宏紀)に「何やってんの?」って言うセリフを、アドリブでバンコランに向かって「何やってんの?」って、嫉妬心が表に出てしまいました(笑)。お客様もウケてくださいましたし、嫉妬するっていうのはパタリロ本人にもつながる要素なので、そういう意味では、リアルな気持ちでパタちゃんになれたかな?って思います。
――では、結構期間中は役になりきってしまうタイプ?
う~ん、そうですかね…でも今回の「人間風車」のサム役は、これほど自分と違う役なので、ちゃんと切り替えができる気がします。ただ河原さんには「病んでほしい」って言われたんですよ(笑)。僕としては「こういう動きをしたい」とか、今すごく考えていて。でもその動きをするには筋トレとかしないといけないなと思うので、今準備中です。
――そのほか、役作りのために準備は何かされていますか?
ちょっと感性が変わっている役なので、日常にいる変わった人を観察するようにしています。変わった人って、その場にいるだけで近寄りがたい雰囲気を醸し出したりするじゃないですか。そういうのがサムには必要かな?と思うので。「何でこの人、立ってるだけでおかしいのかな? 怪しいけど、気になっちゃう」っていうところを表現できたらいいな、と。そうやって“自分じゃない者”になっていくのが、今すごく楽しいですね。
取材・文=magbug
かとう・りょう=1990年2月13日生まれ。静岡県出身、O型。待機作に連続ドラマ「僕たちがやりました」(7月18日火曜スタート、フジ系)、映画「火花」(11月23日木曜祝日より全国東宝系にて公開)などがある。
〈公演情報〉
PARCO & CUBE 20th present舞台「人間風車」
【東京公演】2017年9月28日(木)~10月9日(月)
東京芸術劇場プレイハウスにて公演
【高知公演】10月13日(金)
高知県民文化ホール・オレンジホールにて公演
【福岡公演】10月18日(水)
福岡市民会館・大ホールにて公演
【大阪公演】10月20日(金)~22日(日)
森ノ宮ピロティホールにて公演
【新潟公演】10月25日(水)
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場にて公演
【長野公演】10月28日(土)
ホクト文化ホール・中ホールにて公演
【仙台公演】11月2日(木)
電力ホールにて公演
〈公式HP〉
パルコステージ http://www.parco-play.com/web/
キューブ http://www.cubeinc.co.jp/news/#23
2017年7月15日(土)より東京公演チケット発売
〈公演スケジュール・チケット詳細〉
http://cubeinc.co.jp/stage/info/ningen2017.html