松岡茉優、「愛にイナズマ」でコロナ渦を懸命に生きる映画監督を熱演 役者としての魅力とこれまでの経歴を振り返る

2023/11/23 18:00 配信

映画 コラム

松岡茉優(C)2023「愛にイナズマ」製作委員会

10月27日より公開中の映画「愛にイナズマ」。豪華キャストが織りなす、笑いと感涙の痛快エンタテインメント作品で、今の社会を予見したような“アフターコロナ”の世界が舞台となっている。そんな本作の主演に抜擢されたのは、今年夏クールドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」での教師役の熱演が記憶に新しい松岡茉優だ。今回はそんな松岡が主演を務める「愛にイナズマ」のあらすじや見どころに加え、彼女のこれまでの経歴や魅力について深堀りしていく。

「愛にイナズマ」では崖っぷち新人映画監督を熱演


主人公の折村花子(松岡茉優)はやっとの想いでデビューが決まった新人映画監督。お金がない中で、日々映画作りに奔走するが、助監督(三浦貴大)にパワハラやセクハラを受けプロデューサー(MEGUMI)に騙され監督デビューの話も奪われてしまう。

そんな中バーで偶然出会った正夫(窪田正孝)に“夢を諦めるのか”と感化され、長年疎遠だった家族の協力を受けながら「見返してやる!」と誓う花子。

その後実家に戻り、父親の治(佐藤浩市)、長男・誠一(池松壮亮)、次男・雄二(若葉竜也)と久々の再会を果たすものの、口だけが上手い長男に、ストレスをため込んだ次男、母親に愛想をつかされた父親、と家族の状態は見るにも堪えぬ“バラバラ状態”だった。

それでも花子は家族とともに衝突しながら過ごしていくことで次第に会話が生まれ、修復不可能かと思われた関係が変わり始める。中でも“治の秘密”が明らかになるシーンでは、涙が止まらない感動が押し寄せてくる――。

“新人映画監督役”を通して見せる葛藤や成長


本作における松岡の役どころは、“理不尽な状況でも自分の主張を貫きたいが、社会の中でうまくやっていくには「普通」を演じなければいけない”という状況にもがき苦しむ新人映画監督だ。

仕事現場では理不尽なことを次々とぶつけられ、挙句の果てにはセクハラを受けたりと状況は最悪…。その恨みを晴らすように、家族や正夫へ怒りの感情を爆発させるシーンは、どこか痛々しくも、一筋縄ではいかない26歳の女性を見事に表現していた。

また、自分の家族に対して嫌悪感を抱いていた花子が、“家族”を通して徐々に成長していく姿も必見。本作で見せる松岡の表情や言動は、多くの人の心を突き動かすだろう。

ちなみに松岡は、以前インタビューで「もっと大変になってしまった世の中で、勝ち上がってやるんだ、という花子の全身全霊を、私が止めてなるものかと挑みました」と語っていた。本作では、全力で挑んだという松岡の迫真の演技が映し出される。