松岡茉優、「愛にイナズマ」でコロナ渦を懸命に生きる映画監督を熱演 役者としての魅力とこれまでの経歴を振り返る

2023/11/23 18:00 配信

映画 コラム

ある時は「冷厳な教師」、またある時は「家出女子高生」…幅広い役柄を担当


1995年に東京都で生まれた松岡は、8歳の時に妹が芸能事務所からスカウトされ、母親とともに妹の面接に同行した際、面接官に誘われて芸能事務所入りをする。

世間に知れ渡るようになったのは2013年に放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、アイドルグループ「GMT47」のリーダー、入間しおりを演じた時だった。責任感が強くグループ想いで熱い役どころは、世間から多くの支持を集めた。

それ以降数多くの映画やテレビに出演し続ける松岡だが、記憶に新しいのは「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)の教師、九条里奈役だ。自身初となる学園サスペンスで、冷静で淡々と振る舞いつつも内に熱いものを秘めた難しい役どころを好演し、話題を呼んだ。

もちろん、松岡が評価された作品は他にも数多く存在する。例えば2016年放送のNHK大河ドラマ「真田丸」では、真田信繁(堺雅人)の正室・春役を担当。一途で愛らしい女性かと思いきや、娘に夫の前妻の名前を付けたり、嫉妬すると障子に穴を開けてしまったりと変わった行動を見せた。これまでのイメージを覆した松岡の“見事なギャップ”を演じたことも相まって、ネット上では春について「ヤンデレ」などのコメントが続出。強烈的なキャラクターとして注目を集めた。

また2016年、2018年に3作シリーズで上映された映画「ちはやふる」では、“クイーン”と呼ばれる主人公のライバル的存在の若宮詩暢役を熱演。近寄りがたい雰囲気と毒舌なキャラクターで新境地を開拓している。

さらに2018年、第71回カンヌ国際映画祭パルムドール「最高賞」受賞作品「万引き家族」では、家族との関係に悩んで家出をする女子高生を演じた。“JK見学店”で働くというハードな役どころに体当たりで挑み、その女優魂は世間から多くの称賛を得ている。

そして2020年に放送されたドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)では、お金や恋に一途な女性を演じ、金銭感覚が自分と真逆の浪費家男子とのラブコメをさわやかに表現した。

このように出演する作品によってさまざまな表情を見せてくれる点が、松岡の魅力の1つと言えるだろう。そして“難しい”とされる役どころも猪突猛進で挑んでいく姿は、まさに「愛にイナズマ」の花子に通ずるものがある。同作では窪田正孝と“芝居の殴り合い”というべき激しい感情演技をぶつけあう姿が視聴者の胸を打つだろう。