サロンの主催者である倫子がまひろの空気を読まない行動を笑い飛ばしたことで、他の姫君たちも追随。これによって、まひろもサロンの一員として受け入れられたのだった。それでなくても宮中での権力争いなど“政治的”なエピソードが多く登場する「光る君へ」。見ようによっては、倫子も政治力に長けた人物であるという推測もできる。
そんな倫子が第5回では、妙な動きを見せる場面もあった。倫子の父で左大臣・源雅信(益岡徹)のもとに関白・藤原頼忠(橋爪淳)と右大臣・藤原兼家(段田安則)が集い、密談するシーン。「未熟な帝などねじ伏せればよい」などときわどい会話を交わす3人のそばを猫がすり抜けていったかと思うと、その猫を追って倫子が顔を出したのだ。
一度通り過ぎたものの戻り「失礼いたしました」と頭を下げた倫子。だがこの時代、貴族の姫君が不用意に男性に顔を見られることはタブーであり、まして廊下を走ってじかに客人の前に顔を出すなど考えにくい。サロンでのふるまいで頭の良さをのぞかせている倫子であれば、なおさらだ。
このシーンが放送されると、平安時代好きの視聴者から「賢い倫子さまがあんな無防備にお客の前に飛び出すなんてあるだろうか」「倫子さま、あえて乱入した?」「このシーン、何か意図があるのでは…」といぶかしむ声が上がった。
倫子はやがて兼家の息子・道長の妻となる人物。第5回には、倫子が「右大臣家の3人のご兄弟はそんなに見目麗しいの?」と関心を寄せる描写もあったことから「道長たちの父である兼家へのアピール、もしくは偵察?」「道長に興味を持ったということでは」などの考察”も。
さらに、「源氏物語」には猫がきっかけとなって光源氏の正室・女三宮が別の男性に見初められてしまう“事件”が描かれていることから、「このシーン、女三宮のオマージュ?」「この猫のシーンがあとあと何か大きな事件につながっていくのかも」といった読みも飛び交った。
まひろの涙の告白と、その後の道長と道兼の緊迫感ある対峙(たいじ)も注目を集め、「#光る君へ」がX(旧Twitter)トレンド1位の反響を呼んだ第5回。2月11日(日)は、第6回「二人の才女」を放送する。いよいよ、ファーストサマーウイカ演じる“ききょう”こと清少納言も登場する。
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