ある夜、蒔子がありすの店にやって来る。動揺を隠しきれないありすと、複雑な事情を抱えていそうな蒔子。2人の間に気まずい空気が流れる中、倖生はどうすることもできずただ見守るばかりだった。
そこに心護が現れ、「何してんだよ」と言い、蒔子を追い返そうとする。優しいイメージのある心護からは想像ができないほどの強い口調。ありすが大きな音が苦手だと、誰よりも知っている心護は何度も大きな声でありすを呼び、部屋へ入るように促していた。
しかし、ありすは動けなかった。突然現れた蒔子や大きな声を出す心護。全ての情報が処理できずに、ただ立ち尽くすことしかできなかったのだろう。
そんなありすの様子に気が付いた倖生は、ありすに近づき、「(部屋へ)行こう」と連れて行こうとする。それでもありすは部屋に行くこともせず、動かなかった。倖生や心護の話を素直に聞かないありすに、倖生は違和感を覚えていた。
倖生は、ありすが抱えていた悲しい過去に触れることに。母親に捨てられた理由を憶測で話したり、父親である心護が自分のために母親の存在を隠しているともらすありすに、倖生は「それって想像じゃない?」と告げる。
落ち込んでいたありすは、倖生の言葉に驚いた様子だった。一方、倖生は知ったふうにありすの家族のことを話してしまったことを謝罪し、自分の部屋に戻ろうと立ち上がる。しかし、倖生はありすに「もう少しだけ近くにいてくれませんか?」と引き留められる。ありすが呼び止めた際、倖生の「ん?」という声があまりに優しくもん絶した人もいただろう。
そんな倖生を、ありすは頼りにしていたように思う。距離感を保ちながらも寄り添うありすと倖生の姿から、日々、ありすのために倖生が努力を続けていることも分かった。
人と人との距離が近いことを苦手としていたありすは、倖生がそばにいることを許したのだ。2人の間に流れる優しい時間がいつまでも続いてほしいと願わずにはいられないシーンとなった。
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